トリニティ・セッション / カウボーイ・ジャンキーズ | A DAY IN THE LIFE WITH MUSIC

トリニティ・セッション / カウボーイ・ジャンキーズ

THE TRINITY SESSION / COWBOY JUNKIES


trinitysession


①MINING FOR GOLD  マイニング・フォー・ゴールド

②MISGUIDED ANGEL  ミスガイデッド・エンジェル

③BLUE MOON REVISITED (Song for Elvis)  ブルー・ムーン・リヴィジテッド (エルヴィスに捧ぐ)

④I DON'T GET IT  アイ・ドント・ゲット・イット

⑤I'M SO LONESOME I COULD CRY  泣きたいほどの寂しさだ

⑥TO LOVE IS TO BURY  トゥ・ラヴ・イズ・トゥ・ベリー

⑦200 MORE MILES  200 モア・マイルズ

⑧DREAMING MY DREAM WITH YOU  夢を夢見て

⑨WORKING ON A BUILDING  ワーキング・オン・ア・ビルディング

⑩SWEET JANE  スウィート・ジェーン

⑪POSTCARD BLUES  ポストカード・ブルース

⑫WALKING AFTER MIDNIGHT  ウォーキング・アフター・ミッドナイト



本日紹介するのは、1989年のカウボーイ・ジャンキーズのアルバム「トリニティ・セッション」です。


カナダ出身のこのバンドは、ヴォーカル(女性)・ギター・ベース・ドラム、の4人から成ります。

彼らは「ロック・バンド」の範疇に入ると思いますが、ここで聴けるサウンドはおそらく誰もロックとは呼ばないでしょう。


ここでの彼らの音楽は、カントリーやブルースの影響を受けた、というよりも、カントリーとブルースそのものです。とりわけカントリー色が強いです。


物憂げで叙情感たっぷりの哀愁溢れるアコースティックなスローナンバーばかりで、聴いていて何ともいえない気分になるアルバムです。


このアルバムは教会でライヴ録音されたものです。

といってもコンサートではなく、あくまで教会をアルバム録音の場所として使用したということで、当然、拍手や歓声などはありません。

ライヴ録音のせいか、歌や演奏の隙間の空間の静寂さが際立ち、かすかにかかるエコーが寂しげなこのアルバムの雰囲気を強調させているように聴こえます。


ちなみにその教会がトリニティという名前だったので、「トリニティ・セッション」です。

そのまんまです。



アルバムは、オリジナルの新曲と、カヴァー曲、そしてトラディショナル・ソングで構成されています。

また、曲によってはセッション・ミュージシャンによるアコーディオンやハーモニカ、スティール・ギターなどがフィーチャーされていて、それがより一層の哀感を誘う効果を出しています。


①はトラディショナル・ソングですが、ア・カペラです。

粉塵が肺にたまって命が尽きようとしている炭鉱夫の歌です。

のっけから寂しくなります。


③は、オリジナル曲に、エルヴィスの「ブルー・ムーン」が挿入されています。

間奏の寂しげなギターが心に残ります。


⑤は、偉大なるカントリーの「神様」ハンク・ウィリアムスのカヴァーです。

タイトル通り泣きたくなるほど寂しい名曲です。


⑩はヴェルヴェット・アンダーグラウンド(!)のカヴァーです。




このアルバムは、夜、一人でしんみりと聴くことをお奨めします。


癒される、とか、リラックスする、といった表現が陳腐に聞こえてしまうような、心からこみ上げてくる、そこはかとない味わい深さがこのアルバムにはあります。




泣きたいほどの寂しさだ



寂しい夜鷹の鳴き声が聞こえる

飛べそうもないくらい悲しい鳴き声

夜汽車の低い汽笛の音

寂しくて泣きたくなる


音もなく流れる星が紫色の夜空を一瞬照らす

あなたは今頃どこにいるのだろう

寂しくて泣きたくなる