サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド / ザ・ビートルズ
SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND / THE BEATLES
①SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
②WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ
③LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
④GETTING BETTER ゲッティング・ベター
⑤FIXING A HOLE フィクシング・ア・ホール
⑥SHE'S LEAVING HOME シーズ・リーヴィング・ホーム
⑦BEING FOR THE BENEFIT OF MR.KITE! ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト
⑧WITHIN YOU WITHOUT YOU ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー
⑨WHEN I'M SIXTY-FOUR ホエン・アイム・シックスティー・フォー
⑩LOVELY RITA ラヴリー・リタ
⑪GOOD MORNING GOOD MORNING グッド・モーニング・グッド・モーニング
⑫SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND (Reprise) サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプリーズ)
⑬A DAY IN THE LIFE ア・デイ・イン・ザ・ライフ
本日紹介するのはビートルズの1967年のアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」です。
このアルバムは「ポップ・ミュージックの金字塔」であり、「ロックを芸術の域まで高めた」まさにロックの頂点に立つ歴史的傑作です。
で、このアルバムのどこがそんなに凄いの?
ってことなんですが、
このアルバムは”サージェント・ペパ~”という架空のバンドのショーに見立てています。
オープニングはバンドを紹介するタイトル曲で始まり、「ビリー・シアーズが次に歌を歌います!」と言ってメドレーで②に続き、⑫でショーの終わりで再びバンドを紹介する曲を演奏し、アンコールの⑬で幕を閉じる、という設定になってます。
現在ではそうしたひとつのテーマに沿ったアルバムを「トータル・アルバム」とか「コンセプト・アルバム」と呼びますが、シングルの寄せ集めでアルバムがリリースされていた当時にあって、アルバム全体をひとつの「作品」として世に知らしめたのは、この「サージェント・ペパー」が初めてだったのです。
レコーディングやアルバムジャケットに莫大な時間とお金をかけるというやり方も当時としては考えられないものでした。
前年の1966年夏以降、ビートルズはライヴ活動を休止しています。
そうしてスタジオに籠り、セッションをしながら試行錯誤を繰り返して出来上がったのがこのアルバムです。
また、当時のドラッグ・カルチャーの影響もあってサイケ色の濃い内容になっています。
②では「友達の助けがあればハイになれる」と歌い、
③は浮遊感漂うキーボードをバックに歌われ、「マーマレードの空」「万華鏡の瞳をした少女」「セロファンの花」「新聞紙のタクシー」「鏡のネクタイ」といった歌詞はドラッグをイメージさせます。
⑥は家を出て駆け落ちする娘の歌。メインヴォーカルのポールが娘の立場で歌を歌い、ジョンがその両親の立場からバックコーラスを歌う、非常に味わい深い曲です。
人生を捧げ、生活を犠牲にまでして可愛がって育てた娘が家を出て行く、という内容ですが、ラストの「楽しみだけはお金で買えなかった」と歌うジョンのコーラスに胸を打たれます。
⑧はジョージによるインド音楽です。もうまるっきりインド音楽です。インド音楽って聴いたことないんですけど、これはインド音楽です。
歌詞の内容も哲学的です。
そして圧巻はなんといってもラストの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」です。
この曲こそが名作「サージェント・ペパー」のイメージと評価を決定づけているとオレは思います。
もう凄すぎてゾクゾクしてくる曲です。
今日新聞を読んだらこんな記事があった、というたわいもないけどシュールな歌詞をジョンがアコースティック・ギターを弾きながら静かに歌います。
それが終わるとオーケストラの不協和音が次第に大きくなり(オレは何かが爆発するようなイメージを受ける)、爆発寸前でフッとオーケストラの演奏が止まり、目覚まし時計のベルが鳴ってポールのヴォーカルによる日常の通勤風景が歌われます。
現実に引き戻されたような感覚からオーケストラの演奏がさりげなく入ってきて、その音が爆発寸前でフッと止まると再びジョンの歌が始まり、再びオーケストラの演奏が大きくなって、最後はピアノの鍵盤を思い切り力をこめて叩いたようなバーン!という音で幕を閉じます。
何だか現実と夢の間を行ったり来たりしているみたいで、夢かと思っていたらそれが現実で、現実と思っていたらそれが夢で、どっちがどっちだかわからなるような、そんな不思議な感覚に囚われる名曲です。
最後のバーン!というピアノのコードの余韻は約1分続きます。
このアルバムのコンセプトはポールの発案で、収録曲もポールの曲が多く、ジョンの貢献度が少ないように思われますが、この曲でのジョンのヴォーカルは圧倒的に存在感があります。
このブログのタイトルもこの曲のタイトルからきています。
そのまんまなんですけどね。
オレがこのアルバムを初めて聴いたのは中学2年の時でした。
当時、ビートルズに夢中になっていた時期で、期待に胸を膨らませてこれを聴いたんですが、
なんかつまらんな、っていうかワケわからんな、っていうかこれってライヴ・アルバム?
っていうか曲のタイトル長過ぎ
というのが最初の正直な感想でした。
このアルバムにはインパクトのあるシングル向けの曲、一聴して気に入るような「ヘルプ!」や「抱きしめたい」のようなゴキゲンなロックナンバーや、「イエスタディ」や「レット・イット・ビー」のようなメロディアスなバラードがないんです。
「ポップ・ミュージックの金字塔」なのに決定的にポップな曲が少ないというこの矛盾!
この微妙な難解さが、逆に言えばロックを「芸術」までに押し上げた(と言われる)所以かも知れません。
で、話は戻りますが、何度かこのアルバムを聴いてるうちに、このアルバムがだんだんと「分かってきた」のです。
もうね、聴けば聴くほどその凄さが伝わってくるようになったんですよ。
味わいがあるというか、奥が深いというか、あぁ、オレもこういう音楽の分かるようになったんだな、などと中学生ながらに思ったもんです。
グッド・モーニング・グッド・モーニング
女の子たちのスカートを眺めながら
ムラムラしてくる君は今日も絶好調
おはよう おはよう
このアルバムが世に出されてから40年が経とうとしています。
オレもこのアルバムが出た年に生まれました。
オレも世に出されてから40年が経とうとしています。
('・ω・`)