お留守番犬の夏の室温 関連話 | ☆中野あや・動物行動クリニックなかの☆問題行動は獣医行動診療科認定医のいる犬猫の心療内科へ☆犬猫子どもとの暮らし応援@兵庫/神戸

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お留守番こんにちは、当方のブログでもたくさんのアクセスを頂いている『夏の室内:快適温度』、犬の夏の室温と熱中症の話の捕捉を少し。

というのも、先日たまたま見てた夕方の番組で「ペットの熱中症がまだまだ増えています!」という流れで話していたのでなんとなく見てたのですが、
「ワンちゃんの最適温度は15℃から21℃だそうです!皆さんくれぐれもリビングでの熱中症にお気をつけて~!」
みたいな話をしていたんですね(ボーッと見ていたので、18度~だったかもしれません)。

で、それを見て思ったのが、冷房の設定18℃とか21℃とかにして1日置いてったら犬によっては(そして留守番環境によっては)体調崩すやん!!!
よく、そんな決めつけでずっぱりスゴいこと言うたなー💦💦ということ。

例えば寒がりの犬種、チワワやイタグレなど、細くて小さい犬はより暑さに適応した体をしていて、寒いのには強くない。
21℃設定して冷風吹きすさぶ部屋で、暖まる場所なくフローリング、しかもお留守番サークルにはクーラーから直に風が当たる!となったら病気になってもおかしくないです。
それは寒すぎ!
逆に日本犬なんかは、モコモコの毛をまとって、寒さにも強い。
さらに、大型で丸っこい犬はより寒さに適応した体、と犬種・年齢・個々の犬によって快適な気温や環境は変わります!

また、前のブログで書いた通り、短頭種は暑さに弱い
子犬は暑さにも寒さにも弱いが、体温調節を自分だけでできないから、冷えて体温が下がって弱ってしまうことの方が通常多い。
老犬はじぶんが冷えすぎたり暑くなっていることに鈍感になっているから、同じく暑さにも寒さにも弱いけど、さらに暑すぎたりに気付かずに動かずにいるため湯タンポやホットカーペットの低温やけどにも注意がいる。

ざっと思いつくだけでこれだけ違う。

世の中、犬のことに限らず「これが絶対いい」「絶対大丈夫」なんてものはそうそうないと思います。
ケースバイケース。
「絶対いい」といわれたときは立ち止まって考えてみてください!
余談ですが、しつけも同じで、犬の性格や性質と飼主の性格によって一番いい方法や扱い方の加減などは本当に様々、ケースバイケースです。

ネットの情報の快適温度設定で、あなたの犬が震えていたら、それは快適ではないでしょう?
しつけでは、うちの子(または貴方)が楽しくないな、なんか違うなと思ったらその方法はたぶんあなたの犬には合っていないと思います。

うちの犬はチワワの雑種4キロ、10歳、心臓病あり、神戸の比較的気候のよい(雨が降らない…)ところに家がありますが、この夏 犬のためにクーラーつけた日はゼロです。
フローリングの床で日差し避けにカーテン閉めて扇風機つけて、動ける範囲に土間のスペースがあるだけ。元気ですよ(^^)
ちなみに猫はカーテンの下の日向で寝ています…、あつっ(笑)。

以前、西日がきつくて室内が高温になる部屋だったときは、予報で気温が上がる日はエアコンを設定していましたが26~27℃程度で、風の当たらない場所に毛布スペースも作っていました。

本当にケースバイケースです。
犬の様子、好む場所などを見ながら、室温を調節してあげてください。
・涼しめに設定するときは風の当たらない暖かい場所を作ること。
・空調なしでいく場合は涼める場所があるかを確認する
(作る:凍らせたペットボトル大を置いていくなど)こと。

このような記事を書きながら、おそらく一番室温を気にされている飼主さんはケージでお留守番させているのかなーと感じています。
ケージ内で留守番させる場合(私としては狭いケージに長時間は賛成しませんが、その話はまた別で…)、
〇可能な限り大きいケージにすること(ベットとトイレが隣り合って以上!は論外です)
〇風よけになるクレート状のケージとトイレを両端に設置
〇エアコンの直風があたらないように設置場所の工夫を
〇クレート内は暖かく、真ん中のスペースには涼しくなるように
〇ケージが日向になり続けることがないか注意


といった辺りが注意点でしょうか。

熱中症予防には、犬自身が自分で動いて、選んで行ける涼しい場所を作ること。
これが一番だと思います。
動けるスペースが少なければ室温は涼しくして、風の来ない暖かい巣穴クレートを置く。



以上、補足?でした。
皆さんのワンちゃんとの暮らしの小さなヒントになれば何よりです☆


※チワワやイタグレなどは暑さに強いと書くと夏の日差しの中散歩する方が出かねないですが、コンクリートから30センチの彼らの世界は夏場は夕方でも灼熱ですからご注意くださいね!
コンクリートを触ってみて熱くなくなってから出かけましょう!!