凶斗偽呈書2009開幕 鯨過保護説はやっぱり間違いだった論 | 腐ってやがる・・・ぷログ

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時々、というか度々ネタが生えてきます。
未だにふなっしー依存気味。

トンデモ鯨食害論のファンがどのぐらいいるのか知らないけれど、まあ今回もやってきました。


ところで、毎回でてくるこの文章の羊とは何かと言えば鯨食害論に限らないのですが、環境問題など複雑系を扱う問題に関する、トンデモ言説を私が邪神イヌブータに捧げて、生贄にしている訳ですね

つまり、ここで扱われてしまうと、そのたびに魂が吸われて、特に最多だった某氏はいまやすっかり、そんな事を言わなくなり、ついに否定するに至りました。


これはひとえに、私の呪いが興を奏したのだと信じています。


ところで唐突ですが、あくまで例え話として、もしも「ダムの亀裂を直したら、水が溢れて決壊する」という話があったら如何でしょう。
「ダムの亀裂の水漏れを防ぐ為に修復すれば、今度は水が溢れて決壊する」と言われてしまう訳です。


冷静に考えてみましょう、ダムと言うものは溢れそうになったら放水して、溢れるのを防ぐものだから、亀裂を直したら溢れるという事は基本的にありえません。さらに降水がなければ、溢れる以前に水量も増えない訳ですが。


そういえば、世間には、物凄く女生徒に愛されている教師がいるそうで、そんな彼が「鯨は過保護で増えた」とたった3頭~4頭の鯨を見て判断したという話ですが、本当にそんな事が地球のどこかであったのでしょうか。
実はその鯨過保護論の根源たる「クジラを保護したら、増えて生態系を破壊する」というのも、先ほどのダムの件と全く同じなのです。


ここではダムは環境収容力に相当します。
環境収容力とは、餌の量や繁殖要因や死亡要因など、ある生物の量をある程度定める要因ですね。


クジラだってシャチに食われたりすれば死ぬし、際限なく餌を食べられると言うものでもありません、数万年もかけて構築された生態系の中で自ずと上限は決まります。

つまり、クジラが生態系を壊すほど増えると言うのは、このダムが決壊する状況ですが、亀裂を直してもダムはいっぱいになるだけで、決壊はしません。


ちなみに増えたとされるのは、ミンククジラ…厳密にはクロミンククジラですが、増えた(現在進行形で増えてはいません)原因が一応類推されています
これは、他のヒゲクジラが捕鯨で減って餌が余った為で、これはクロミンククジラに関してはダムそのものが以前よりも大きくなってしまったと解釈できるでしょう、倍増したので少々の亀裂では然程ダメージを与えられません(そして、相対的に他のヒゲクジラのダムの容積が小さくなってしまったという…)。


とはいえ、ダムが大きくなっただけで、決壊する事はないし、他のクジラが増えれば相対的にクロミンククジラのダムは元の大きさに戻っていくと考えられます。

異常といえば異常ですが、ダムの大きさ自体に干渉するほど他のヒゲクジラを激減させた過去の捕鯨が… 特にナガス、シロナガスは日本も加担した近代捕鯨でなければ捕れない種類だから、その激減の責をを欧米のみに負わせるというわけにもいかないでしょう。)生態系をおかしくするほどの酷さだったという事実を表す事件なのに、何故か増えたクロミンククジラが悪いとなっている訳です。



あと、鯨が魚を食いつくすという点について、それを調べる為に調査捕鯨をしているのだという主張もありますが、それはつまり証拠はこれから見つかるのだという…拠もないのに犯人扱いして、報道するのと大差がありません。
クジラは最初から濡れている…というか乾くと火傷するにしても濡れ衣を着せるのはいただけませんね。
大体にして、鯨が魚を食い尽くすのであれば、「サンマが豊漁」などという事はない筈です。

その延長の話で、クジラを駆除をすれば、魚が増えるという説もあります。
それは、捕食する動物が減れば被害が増えるだろうという、希望的観測というか、まあ分かりやすい理屈で語られるわけですが、ここでひとつの事例を出しましょう。



『海のけもの達の物語-オットセイ・トド・ラッコ』成山堂書店によると、トドの個体数が減っているのに漁業被害が増えているそうで、魚が減った事で確実に取れる魚網から魚を奪う個体が増えたのが原因だろうといわれております。
さて、こうなると本当に駆除すれば魚が増えるのでしょうか。


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クジラを駆除すれば、魚が増えると言う向きは、クジラ以外の魚を食べる生物の存在が完全に頭から抜け落ちているのです。
他にクジラによって生態も餌も違うとか、餌を食べる時期とそうでない時期があるとか、いろんな事が抜け落ちているのです、そういう人は頭を傾けるだけで知識がこぼれ落ちて単純化した物の見方しかできないのでしょう。

そうすると、反捕鯨は政治問題だという短絡思考へ繋がります。


そう、それこそがトンデモです、邪神イヌブータが最も好む贄なのです。


毎年、鯨食害論をネタにしていると、似た主張に似たつっこみで少々マンネリ気味なので、今回は事前に分かりやすい例えで逃げを打つ…いや、これから見る人の理解を得たいと思った訳です。


そして、昨年は京都議定書という、格好のネタに合わせて、環境問題の本がたくさん出ました。そういう本では環境問題や地球温暖化は嘘だ、そういう利権に飛びつく連中がいるのだと言いますが、思えばそういう機会に本を出して印税で儲けるのも環境利権と言えるでしょう。
そんな利権に柳に飛びつく蛙の如く飛びついた方々は、邪神イヌブータの生贄にふさわしいので、今回はそんな本に突っ込んでいじろうと思う訳です。


追伸、先ほどの教師様、女生徒を一人ぐらい分けてください、来世枠などという枠まで埋めるぐらいなら尚の事…。



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