手前ではロックが、息をひそめてジッと見つめています。
原因はなんでしょうか? ブワナはもともと温厚な性格で、自分から騒動を起こすタイプではありませんでした。
ところが、最近レボ、カイトに対して強気に牙を見せる場面が時折見られるようになっていました。
単なる発情? それともブワナの中で、違う何かが目覚めつつあるのでしょうか…
騒ぎを聞きつけて、レボ(左)がゆっくりと近づいて来ました。 カイト(右)との間に挟まれたブワナは狼狽し、後ずさります。
レボはブワナの様子を確かめようと近寄りますが、カイトがレボの前をさえぎるように割って入りました。
カイトとブワナは、闘いのタイミングを計るかのように揃って走り回ります。
互いの気合が乗ってきたところで、グイッと接近!
仕掛けたのはブワナ(左)の方でした!
カイト、立ち会いにやや出遅れたか? ブワナに優位な姿勢を許してしまいました!
ここでは、ブワナの気迫が勝っています。
カイトはようやく押し返しましたが、「強い…いつものブワナとは違うな!」 と感じているようです。
そして2頭は再び、息を整えながら並んで駆けます。
この先は、池…。 行き止まりです。
(左、カイト、右、ブワナ)
カイトは、ランと一緒のロックに声を掛けます。 「お前たち、危ないから離れていた方がいいぞ。」
ロック(右)は通りすがりざま、ブワナ(手前)にチラッと視線を送りました。
ロックにとって、ブワナは友達。できれば兄たちと争って欲しくないと願っていることでしょう。
一枚目の場面でもロックは、やや離れて見守るだけで、カイトに加勢しようとはしていません。
ロックは静かに立ち去り、カイトとブワナの間に再び火花が散ることになります。
(つづく)