色鮮やかな多種類のカンナが咲き乱れている連絡道を通って本館、展示館へ。このうちの一つカンナ・ディスコロールは食用カンナとして、根から麺や焼酎を造るという。芝生の広がる庭を眺めながら本館レストランでの昼食は、園長推薦メニューを賞味して暫しの休憩。庭の左隅に木肌が赤茶色で、つるつる光沢のあるバクチノキが一際目立っていた。左手には竹林があり、職員が間伐に入ってきた。あっという間に20~30本、切り取られて、風通しの良い芝生の縁取りとなった。切り取られた竹は七夕用だろうか? 記念館は本館と展示館の2棟に分かれて回廊でつながり、バリアーフリーで途中は果物園と雑木林に挟まれた屋根つきの道・回廊。
(①食用カンナ)
牧野富太郎の生涯の研究と時代背景をあわせて展示説明されており、それだけでも1日かかりそうな内容。数多くの音声テープ、ビデオ説明もすべてを聞くことは残念ながら諦め、椅子を探して時々休憩。珍しいものとしては国内、国外の名庭園(植物園)の紹介があり、小山園長の海外経験の豊富なことを彷彿とさせてくれた。江戸園芸文化のコーナーはやはり気分が落ちつく。桜草、花菖蒲、紫陽花、南天、椿、牡丹、芍薬、万年青~~菊と続くが何か足りない? 別なコーナーで見つかりほっとしたものが、丁度季節の朝顔。
しかしなんといっても強烈に印象深く、立ち止まってしばし見つめて、シャッターを繰り返したのが、書斎で仕事をしている牧野富太郎人形の姿でした。思わず「こんにちは!」
(②展示場の入り口)
(③牧野富太郎先生の人形)
と声をかけたくなった程。牧野自身の研究はヤマトグサ、ムジナモで始まり、そして最後(印象的に)は展示館の入り口に植え込みとなっているスエコザサ。やはり牧野自身の言葉と切り離しては考えられません。
・・・家守りし妻の恵みや 我が学び
世の中の あらんかぎりや スエコザサ・・・
(④スエコザサ)
建物の周辺には見晴台があり、さくら・つつじ園、薬用植物区、グミ・ウツギ地区、お遍路を通り、アジサイ地区から世界のどんぐり園・・・<ケルクス・ムーレンベルギィイ>は元橋本知事の植樹―周辺の樹木には寄付者の一言(結婚、子供の誕生や入学・卒業等の記念)があるが、ここにはなし。<首相になる夢を育てる・・・>を勝手に想像しておりました。私の樹<チチイチョウ>には一言のチャンスがなく、書くとすれば牧野さんの『私は植物の精』に対して「私は植物の僕しもべ」・・・第一次生産者としての植物、食物連鎖の最後のヒトとしての自覚を持って植物を大切にと考えて・・・