(前回の関連記事は「オーラ・殺気とは何か? 」です。)
最強の格闘技は何か?
劇団 「前回の記事では、
CSさんは気を
精=肉体レベルのパワー
気=感情・思念が生み出すエネルギー
神=霊的に高い波動(霊的存在、本人の超意識・先天の気)
の3種類に分けている。
そして、
この3つのエネルギーには〈無意識レベルの情報〉
という共通点があるため一般人はなかなか知覚出来ない。
という事でしたね。」
CS 「はい、そうです。」
「ですからオーラや殺気についても、
〈無意識レベルの情報〉
として捉えるべきなんです。」
「しかし、世間一般は気とか波動の存在を認めたくないんです。」
「ですからオーラについては、
周囲の者の反応
遠慮だったり敬意だったり、
本人の表情や仕草から感じる自信
だったり、
その雰囲気がオーラである。
殺気についても、
突きや蹴りを出す直前の動作やら距離を詰める圧力やら・・・、
そういった細かい予備動作を察知した時に感じるプレッシャー。
などという感じで 〈視覚から受け取った情報〉として無理繰り
説明しようとするわけです。」
劇団 「でも、実際に格闘技をしている人たちって、殺気やオーラについて
どう思っているんですかね?」
CS 「それではボクシングを例にして考えてみますか。」
劇団 「中国拳法は例にしないんですか?」
CS 「世の中にはいろいろな格闘技がありますが、世界で最もメジャーな格闘技は
ボクシングです。」
「また、わたし個人としてはヘビー級のボクサーが世界最強だと考えているんです。」
劇団 「えっ、最強は中国拳法じゃないんですか?」
「高藤聡一郎氏の著書には、発勁(気のパワー)で石を粉々に砕いたりする
武術家の話が出てくるじゃないですか?」
CS 「いえ、確かに拳法家の発勁は当たればすごいんでしょうけど、現代ボクシングの
フットワークやパンチの技術って高度に進化しているんです。」
「しかも、ヘビー級のボクサーは大型化が進んでいて、最近は身長2mとか
ざらにいるんです。」
「一方、中国拳法最強といわれる八極拳の創始者 李書文(1864~1934年)は
当時の中国人(平均身長160cm前半)の中でもかなり小柄で150cm位
だったと言われているんです。」
(石野卓球↓にもなんとなく似ている)
(卓球は電人ザボーガーもどきの写真でも
いい味出してる。)
李書文
真剣勝負に於いては負け知らずであったと言われ、山東省で
「鉄頭王」と呼ばれた武術家との果し合いにおいては、
「あなたは私を三回打って良い、その後に私が一度だけ打つ」
と言い放ち、怒った鉄頭王が渾身の力で書文を三度打つも
びくともせず、その後に書文が脳天に掌打を打ち込むと、
相手の頭は胴に沈み即死した。
また北京にて行われたある武術家との試合では、決め技の前の牽制の
突きだけで相手を打ち殺してしまい、逮捕されぬよう慌てて滄州へ帰った
と言われている。
「神槍」とよばれ、壁に止まっていた蠅を壁を傷つけることなく全て槍で
突き落としたという逸話も残されている。
劇団 「これは強いですよ。」
CS 「確かに強いのでしょうが、現WBC世界ヘビー級ボクサーの
デオンテイ・ワイルダーが
身長200cm、
リーチ(両腕の端から端までの長さ)203cm。」
「李書文が身長150cmとして、アジア人のリーチは(身長+5cm)
ですから、おそらくリーチは155センチ。」
「すると、(身長・リーチともに50センチ近く差がある。)という恐ろしい
ハンディを生むんですよ。」
(50センチ差↓)
劇団 「でも、気の力でスッと飛び込んでドスン!と勁を入れれば
勝てるんじゃないですか?」
CS 「いえ、ここでいったん頭を切り換えて欲しいのですが。」
「先月、ラスベガスでフロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオの
世界タイトル戦が行われたのですがファイトマネーは2人合わせて
250億円。」
劇団 「250億円!!!!」
(メイウェザー↓)
(パッキャオ↓)
CS 「ボクシングの重量級の人気選手は1試合で数十億から数百億円の
ファイトマネーを稼ぐんです。」
「それに対して、中国拳法のような伝統武術で道場を構えている
武術家の方々はけっこう慎ましい生活をしています。」
「中国なら年収が数十万円とか。」
劇団 「確かに武の道を究めようとする達人に、商売がうまいイメージは
無いですね。」
CS 「ですから、もしもメイウェザーが中国武術家と闘うとしたら、
10~20億円を軽くポン!と出して対策を立てればいいんですよ。」
劇団 「対策ですか?」
CS 「そう。例えば米国にUFCという打撃・投げ技・関節技全てありの
総合格闘技の興行があるんです。」
「そこの重量級のチャンピオンはボクシングに比べるとファイトマネーは
全然安くて、年に2試合で1試合ごとに5~6千万円のファイトマネー
なんです。」
劇団 「高いんでしょうけど、メイウェザーに比べれば雀の涙ですね。」
CS 「そのUFCのチャンピオンでも、ボクシングの世界チャンピオンを
育てたトレーナー、柔道とレスリングの元メダリストのコーチ、ムエタイの
トレーナー、最先端の減量・トレーニングの専門家、総合格闘技のコーチ、
そして彼らをまとめて統括するトップ・コーチがついているんです。」
劇団 「まさにドリームチームですね。」
CS 「そのドリームチームが、次の試合の相手選手の全試合のデータと
試合映像を収集して、全員でそれを見ながら相手の動きや技の長所、
弱点を1つ1つ解析して丸裸にします。」
「その上で相手選手の全ての動きと技に対する対策を何百通りも考えた上で、
試合全体の戦略を立てるんです。」
「そして、半年後の試合に向けて戦略を元に作り上げた分刻みのスケジュールを
こなしながら、必要な動きや技術を身体に滲み込ませ、フィジカルも仕上げて
いくんです。」
劇団 「すごいですね。」
CS 「仮にメイウェザーが八極拳の達人と闘う事になったならば、ボクシングや
その他の格闘技の専門家、有名大学の運動解析の専門家を集めて、
ドリームチームを組むでしょうね。」
「さらに同じ八極拳を修行している名人や、対戦相手のライバルの
中国拳法家を集めて2~3億円ポンと払えば対策に必要な技術は
全て収得できます。」
「そうすれば八極拳の全ての技は解析されてしまうでしょう。」
「同時に対戦相手の八極拳の達人の弟子に1億円くらいのお小遣いを
与えてスパイにすれば、
達人がどんな練習をしているのか?どんな技を使うのか?
体のどこが悪いのか?どこを怪我しているか?何を食べているのか?
家族関係はどうなのか、収入は?借金は?女性関係は?
手の内は全て手に入れられます。」
CS 「こうして丸裸にされた上で、ドリームチームによって徹底的に対策を
講じられる。」
「こうなったらもう、
気の力でスッと飛び込んでドスン!と勁を入れれば勝てる
なんて事は不可能になるんですよ。」
「リング外の闘いでも、八極拳の達人が住んでいるのが中国なら、役人に
1億円くらい賄賂を渡せば、些細な法律の不備をでっち上げて道場を
立ち退かせたり、経済状態を困窮させたり思いのままになります。」
劇団 「えっ、そこまでやりますか?」
CS 「前提条件としてメイウェザーの側に中国拳法とどうしても闘わなければ
ならない状況があり、
①試合に勝てば負けた場合に比べて数十億~100億円の報酬を
得る事が出来る。
②負けると自分の商品価値が無くなり今後の試合での収入や、本業以外の
ビジネス面で大きな不利益を被る。
③あるいは、一方的な勝利を収めないと自分が試合で大怪我をする
可能性がある。
などという条件が重なればメイウェザー自身と取り巻き連中はなんだって
やりますよ。」
CS 「TVや新聞のニュース見ていればわかりますが、世の中には数万円のお金を
奪うために歩行者を襲ったりタクシー強盗をして人の命を奪ってしまう人間が
たくさんいるんです。」
「欲望が強いアメリカ人が数十億円や数百億円のお金がかかったら、何をするか
なんて簡単に想像がつくじゃないですか。」
劇団 「そんなにアメリカ人ってお金を欲しがるんですか?」
CS 「現にメイウェザーvsパッキャオの両者は試合後、すぐに訴訟を
起こされているんです。」
「世紀の対決」として全世界の注目を浴びた世界ウエルター級王座統一戦
(2日、米ラスベガス)で戦った5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー選手と
マニー・パッキャオ選手の2人に突如、巨額の訴訟問題が降りかかったことが
6日、分かった。
判定負けしたパッキャオ選手は、右肩のけがを隠してリングに上がったとして
損害賠償500万ドル(約6億円)の集団訴訟を起こされ、無敗を守り抜いた
メイウェザー選手も元恋人から名誉毀損で2000万ドル(約24億円)の
損害賠償を請求された。
2人の予期せぬ“場外乱闘”に米メディアは再び大騒ぎとなっている。
劇団 「250億円のファイトマネーをもらった2人から何とか金を巻き上げてやろうと
試合が終わった途端に30億円の訴訟合戦が始まるんですね。」
CS 「これが現実ですよ。」
「わたしは今まで伝統武術をしている人に、
ボクシングのヘビー級のチャンピオンが最強なんですよ。
とか、
UFCのチャンピオンクラスの方が強いですよ。
と言うと、
必ず、
いえ、●●の武術の方が強いです。
と返答するんです。」
劇団 「それは、自分が修行している武術は強いと思うでしょう。」
CS 「いえ、でもわたしが言っているのはもっとマクロな視点なんです。」
「強いのは武術の技ではなくて、ボクシングやUFCの背後にある
米国の資本主義が生み出した巨大なお金の力なんですよ。」
劇団 「でも、メイウェザーやヘビー級のチャンピオンが100%勝てるとは
限りませんよ。」
「武術の達人が命がけで立ち向かえば勝てる可能性はあるんじゃ
ないでしょうか。」
CS 「その可能性は確かにゼロではないでしょう。」
「しかし、もしもWBCのヘビー級チャンピオンが負ければWBCの
チャンピオンが来ます。他にもIBFとかIBOのチャンピオンとか
たくさんいます。」
「もし、
『中国武術に勝てなければボクシングの興行価値が落ちてしまう。』
あるいは、
『ボクシングvs中国拳法の闘いが世間の注目を集めて、興行とPV収入
合わせて何百億のお金を生む。』
としたら、ボクシング側は勝つまでさらに何億、何十億とお金をかけて
あらゆる手を使って挑戦者を送り込んで来ますよ。」
「その過程で相手の中国武術の技術や人脈は全て巨大資本に
吸収され尽くすんです。」
劇団 「うーん。」
CS 「太平洋戦争で日本がアメリカの巨大な国力に負けたようなものです。」
「よく、仮想戦記小説や漫画で
(ミッドウェー海戦で日本が勝って、太平洋戦争にも勝利する。)
というものがありますが、ミッドウェー海戦で勝ったとしてもアメリカは
どんどん戦闘機と戦艦、空母を作ってくるし、逆に日本はお金も鉄も石油も
底をついてくるんだから、闘いが続けば必ず最後は負けたんですよ。」
劇団 「格闘技もそれと同じだと。」
CS 「結局、資本主義が全てを飲み込んでいくんです。」
「ただ、某格闘技雑誌の元編集長が中国を訪れて、現地で八極拳の大家と
呼ばれている拳法家と会った時に、たまたま現地の通訳の青年が半年前
からボクシングを始めたという話題になって、
それを聞いた八極拳の大家が、(試しにわたしにパンチを出してみなさい。)
と言うので通訳の青年が軽くジャブを出したら、避けられずに一発で
のされて気を失った。
という逸話があるんです。」
「ですから、プロボクシングのヘビー級クラスがわざわざ出て行く
必要もないのかもしれませんが。」
劇団 「僕の中の中国拳法の幻想が崩れていく・・・。」
CS 「ボクシングはオリンピックの正式種目になっていて、メイウェザーは
1試合で143億円を稼ぎました。」
「ということは、才能のある多くの若者がメイウェザーのようになりたいと願い、
人生をかけて朝から晩までトレーニングやスパーリングを繰り返しているんです。」
「選手にぶら下がっているコーチやトレーナー、その他スタッフ達も多額の報酬を
得られるようになろうと、必死になって知識や技術を高めていくんです。」
「UFCも興行が拡大するにつれてレスリングや柔道のメダリストの転向が相次ぎ、
競技レベルが上がっています。」
劇団 「伝統武術はどうなんですか?」
CS 「まず第一に伝統武術は興行が無いからお金にならない。」
「収入は道場主が道場生から月謝を取るくらいです。」
「そのため本当にアスリートとしての素質がある人のほとんどが野球やサッカー、
ボクシングなど、プロ興行があり多額の年収を得られる競技に流れてしまう。」
「柔道やレスリングといったオリンピック種目になっている格闘技に
比べても圧倒的に素質を持った人間が少なくなる。」
「というより、逆に身体が弱い人や、アスリートしての素質がそれほど無い人が
心身を鍛えるためや、護身術として伝統武術に入る事が多い。」
「結果的に練習相手のレベルが低くなってしまう。」
「また、新しく技術を開発するというよりも、伝統の技を正しく受け継ぐという
思考パターンなので技術の進化がストップする。」
劇団 「そう考えると、
八極拳の大家が、ボクシングを始めたばかりの青年のジャブ一発で
のされてしまう。
という事は十分あり得るんですね。」
CS 「逆に八極拳がオリンピックの正式種目になって、ボクシングのように数百億円の
ファイトマネーが動いて、NIKEのような巨大企業が選手のスポンサーにつくように
なった場合を考えてみてください。」
「そうなれば当然、ウサイン・ボルトのような身長2m近くで金メダルを取れるような
素質を持った若者がどんどん八極拳を習うようになって、技術の研究・進化が生じて
それこそ李書文を越えるような化け物が続々出てくると思います。」
劇団 「確かに巨大企業がスポンサーについて、専門の研究機関でオリンピック並みに
八極拳を研究して、ウサイン・ボルトのようなアスリート達に修行させたら
それこそ史上最強の拳法家が誕生するんでしょうね。」
CS 「はい、伝統武術や格闘技を行っている人たちと話していると感じるのですが、
彼らは個々の技や動きといったミクロな部分に意識が集中するんです。」
「そのため、わたしのように経済を含めたマクロな視点で格闘技の強弱を測る
考えを説明しても、なかなか理解してもらえないんです。」
「まぁ、わたしの考え方が特殊なんでしょうけどね。」
劇団 「じゃあ、CSさんはボクシングや総合格闘技を習おうと考えたり
するんですか?」
CS 「あんな面白くないものやりませんよ。」
劇団 「えぇーっ!!」
CS 「やるんなら太極拳とか伝統武術の方が面白いですよ。」
劇団 「でもボクシングや総合格闘技の方が強くなれるんですよね?」
CS 「いえ、強い弱いというのと、面白いかどうかというのは別なんです。」
「最近、太極拳の気の移動を解析していろいろ試しているのですが、
面白い気の流れ方をするんですよ。」
劇団 「そうなんですか。」
CS 「先週、深部小周天が開いている受講者にシンクロした状態で、
わたしが頭部の気を太極拳の技法を利用して下降させたんです。」
「受講者に感覚の変化を尋ねたところ、まず任脈を圧力状の
気が下降して会陰で痺れたような帯電感が発生して、その後
湧泉(足底)に気が到達してジンジンするような気感を得ていました。」
「さらに湧泉から督脈を温感が混じった気が上昇して脳内に流入し、
再び任脈を降りて両手の平から放射されました。」
「この受講者が一連の気の流れを感じ取るのに要した時間は54秒。」
「太極拳の達人はこれを一瞬で行うそうです。」
劇団 「まるで『HUNTER×HUNTER』のオーラの移動みたいですね。」
CS 「深部周天に到達しないと、本来の太極拳の気の流れは感じられず、
気の面での効果は出せないのかもしれません。」
「ただ、高藤聡一郎氏の弟子の中でも深部小周天に到達したのは
十数人程度だったそうです。」
「そう考えると内功をせずに、太極拳だけでそこまで気が巡り
感覚化できた修行者は、まさに数万人に1人の天賦の才に
恵まれたほんの一握りの天才なんでしょう。」
劇団 「CSさんは太極拳を教えるんですか?」
CS 「もちろん教えないですよ。」
「わたしは正式に太極拳の師匠に弟子入りして教わったわけじゃ無くて、
書籍や映像を見て真似してエネルギーの動きを解析しているだけですから
人に教えられるような太極拳のレベルではないです。」
「それにわたしは太極拳を武術としてではなく、いろいろな方面の術に
応用しようと思って研究しているんです。」
劇団 「やっぱり最後は術ですか。」
CS 「わたしから見ると太極拳は攻撃系、防御系、恋愛系、房中術など、
あらゆる術に応用できる素材の宝庫です。」
「ただ、そんな応用法を考えるのはわたしだけですから、他人には
全く関係ない、わたしの個人的な秘かな楽しみなんでしょうけど。」
劇団 「ボクシングや総合格闘技ではそんな楽しみ方は出来ないですね。」
CS 「そう考え直すと、術能力の極限を目指しているわたしにとっては
太極拳が最強の格闘技と言えるんでしょうね。」
劇団 「うーん、最強の格闘技って何ですかね・・・・。」
※次回の記事更新日は6月20日になります。

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