(前回の関連記事は「邪気のスカウター
」です)
鍼治療で消えた陽気
前回の記事では鍼灸治療で受ける邪気について数値化して
説明しました。
鍼灸治療院を訪れる患者さんの症状を大別すると、まず一番
多いのは、腰痛・膝の痛み・首や上肢の痛み、関節痛といった
整形外科で扱う疾患です。
当然ですが、これは緊急に手術や入院が必要でないレベルです。
よく、治療家の中には「手術は絶対に良くない。」と口癖のように
患者さんに話すタイプがいます。
わたしは病院勤務時代に重度のヘルニアや坐骨神経痛、
脊柱管狭窄症を放っておいて回復不能な筋肉の麻痺に
なってしまったケースを見て来ました。
逆に、どう考えても(これは手術の必要はないんじゃないかな?)と
いう症状なのに、医者に強引に勧められて手術をして、かえって
悪化して回復不能になった患者さんもいました。
こう考えると、手術をするかしないかの選択は非常に難しい
問題だと思います。
ただ、鍼灸院に来る患者さんのほとんどが緊急に手術が
必要でない比較的軽度な外科疾患であることは確かです。
その他の症状としては、肩こり、頭痛、めまい、手足の冷え
といった、いわゆる不定愁訴があります。
この不定愁訴は一見すると大したことが無いように思われますが、
テレビ番組「たけしの本当は怖い家庭の医学」において、
「本当は怖い鼻血~頭の中の爆弾~」
「本当は怖い間違った頭痛の対処法~E・Mさんの場合~」
「本当は怖い目の疲れ~瞳に隠された恐怖~」
「本当は怖い顔のゆがみ~逃れられない罠~」
(↑麻生太郎氏のことがちょっと心配になりました。)
などと紹介されているように、背後に怖い原因症状が潜んでる
ケースもあります。
逆に言えば鍼灸師は、
本当に患者さんが訴えている症状が不定愁訴なのか?
もしかしたら重大な原因が潜んでいるのではないか?
といった疑問を常に抱きながら治療を行い、何か問題が
あると感じた時はすぐに病院での詳しい検査を勧める必要が
あるわけです。
それでも平均的な鍼灸師が治療する患者さんのほとんどは
重大な原因のない軽度の不定愁訴です。
こう考えると、鍼灸師が日常接する邪気量はそれほど多い
ものではありません。
以上の内容を考慮した上で、わたしは前回の記事で、
鍼灸院を訪れる平均的な症状の患者の邪気量→MAX100
と設定しました。
そして、実際の治療で鍼灸師が絶対に100%全ての邪気を抜く
わけではありません。
治療家の技量や、患者との相性などで抜ける邪気の量は20だったり、
70だったりとまちまちですが、とりあえずわたしは1回あたりに抜く
邪気量の平均値を40と設定しました。
その上で、1回あたりの治療代3500円、年収500万円(経費・税抜前)の
鍼灸師が1年間に治療する回数を考えると1428回になります。
それに1回平均40の邪気量をかけると、1年間に鍼灸師が治療で吸収する
総邪気量は57000という結構な数字になります。
わたしはさらにこの数値をイメージしやすくするために、ドラゴンボールに
登場する戦闘力測定器スカウターの数値になぞらえてみました。
例えば、
肩こり腰痛の患者邪気量⇒戦闘能力40⇒初期の天下一武道会に出てた地球人レベル
鍼灸師に蓄積する邪気量⇒戦闘力57000→ギニュー特戦隊ジースを倒したベジータレベル
となります。
しかし、実はこの57000の邪気がさらに数十万、数百万レベルになったりするケースが
あったりします。
ドラゴンボールに例えるなら、
邪気量120000→ギニュー隊長レベル
といった感じで敵キャラ(邪気)の戦闘力がインフレーションを
起こすわけです。
なぜ邪気量が一気に増大するのか?
わたしは今まで色々な治療家やヒーラーが邪気にやられている状態を
観察しながら、邪気量が一気に増大するパターン分けをしてみました。
これから、そのうちのパターンの幾つかについて説明します。
わたしは病院に勤務し始めた頃に、過去の記事に何度か書いた
気功の元師匠と出会い、それをきっかけに行が進歩しました。
ある休日に元師匠が作成した気功グッズを利用しながら瞑想を
行っていたところ、会陰(性器と肛門の間にあるツボ)がやたらと
熱を持ったことがありました。
普段は熱くなってもしばらくすると熱が消えたりするのですが、
その時は持続して、次の日の朝、目が覚めても会陰が熱を持って
いるし、日常仕事で体を動かしていると焼けるように熱くなります。
(これは本格的に陽気が発生したんだな。)
と思いヒマを見ては会陰に意識をかけていました。
すると、ある日いきなり会陰に熱が発生しなくなりました。
(あれ、どうしたんだろう?)
と不思議に思いながらも、気功グッズを使ったり、瞑想にかける時間を
増やしたり、色々試してみたのですが熱感はなかなか戻りません。
多少は温感が発生するようにはなるのですが、一番熱かった時の熱量を
100とすると、ようやく50くらいまで戻ったという感じです。
そうして何とか50まで戻した熱感も、前回のようにある日突然消えて
しまいました。
それも前回は熱が消えたという感じだったのが、今回は会陰の温感が
消えた上に、手足が冷たくなるようになりました。
そこで、気功の師匠に電話してみました。
すると電話に出るなり、師匠が
「うわっ、スゴイ邪気だな。」
と言うので、
わたしが「何か感じますか?」と聞くと、
師匠 「電話に出たら体が芯から冷たくなって、胸も苦しくなったよ。」
わたし 「最近、いつも手足が冷たいんです。」
師匠 「いやぁ、病院に勤めているとこんなひどい邪気を受けるんだ。」
「こりゃ大変だなぁ。」
わたし 「そんなひどいですか?」
師匠 「これは小周天回した方がいいよ。」
「ボクもタバコ吸った後は小周天でタバコの邪気を
流すんだ。」
という会話をしたあと、電話越しに2人で10分ほどの
時間をかけて小周天を回しました。
これで手足の寒さが柔らいで、温感が会陰に少し戻ったことを
憶えています。
この師匠の会話から導き出されたことがいくつかあります。
まず1つは、
手足が冷たくなり、会陰に熱感が発生しなくなったのは治療時に
患者から受けた邪気のせいだった。
ということです。
さらに、
わたしと師匠の邪気の感じ方に差がある。
という事実もありました。
わたし→(1)手足が冷たい
(2)会陰に熱を感じない
に対して、
師匠⇒(1)手足が冷たい
(2)会陰に熱を感じない
(3)体の芯も冷える
(4)胸が苦しくなる
と違いがあります。
この時点での気功の修行レベルは、わたしが経絡小周天(皮膚)レベルで
あったのに対して、師匠は丹道周天をマスターしていました。
ここから、
①気脈が深いルートを通り開発されている人ほど深い部分から
邪気を感じる。
②エネルギー値が高い人ほど、邪気(マイナスエネルギー)を
強く感じる。
という法則が導き出されました。
また、
小周天には邪気を排出する効果がある。
という事もわかりました。
これに対しては、
なぜ自分で小周天を行っていた時には手足の寒さが
抜けなかったのに、師匠と電話しながら小周天をしたら
温かくなったのか?
という疑問が当然生じます。
その答えに対しては、
電話を通じて師匠とわたしの波動がつながった
↓
その状態で丹道が通っている師匠と気を回したために
同調して、自分で皮膚レベルの小周天を回していては
抜けなかった深い部位に気が通って邪気が抜けた。
↓
師匠のエネルギー値がわたしより高かったので、その影響を
受けてわたし自身の波動も上がり、普段よりも邪気排出能力が
高まった。
と推察できました。
このように、電話でたった1~2分の短い会話と10分程度の瞑想を
行っただけでしたが、わたしとしては得るものがたくさんあった体験
でした。
この経験はわたし自身が指導を行う上でもプラスになりました。
と同時に、師匠は邪気を受けることを非常に嫌っている性格だと
いう事も理解できました。
実際、師匠は気功治療を行う能力が結構あったと思うのですが、
治療で邪気を受けて自身のエネルギーレベルが下がることを
避けるために絶対に治療はしませんでした。
個人主義者のわたしとしては、これ以上邪気のことで電話をして
師匠に迷惑をかけるのも嫌だったので、自分自身で邪気の問題に
取り組むことにしたわけです。
※次回の記事更新日は3月1日になります。
今回の記事中に書いた「気功グッズ」に興味を持った方がいるかも
しれませんので書いておきます。
師匠が作成した気功グッズは確かに効果はあったのですが、
その性質上、副作用といえる様々な問題を引き起こしました。
そのため、わたしは「気功グッズを使いたい」「作って欲しい」 という
希望があっても対応していませんので、その点はご了承ください。