（前回の関連記事は「立禅の効果を飛躍的に高める方法 」です）
超実用的！気功講座 第７回
気功とお金
話は、透視能力を持った気功家の話に戻ります。
わたしと気功の友人は毎週金曜日に仕事を終えると、
その気功家の方の治療院に行って指導を受けるように
なりました。
そこの部屋には東洋医学関係の書物がたくさんありましたが、
その中に混じって宗教書もけっこうありました。
中でも特に目を惹いたのが密教関係の書物です。
チベットの土着宗教だったポン教と仏教が結びついて
生まれたのがチベット密教です。
このチベット密教というのは、ポン教の呪術的な要素を色濃く
残しているんです。
チベット密教を極めた人間は、
離れた場所にある水を体内の熱を送って沸騰させたり、
空中浮遊したりと、それこそ伝説の仙人のような不思議な
術を使ったそうです。
（わたしは実際に見たことがないので真偽は不明です。）
その後チベット密教は中国に伝わり、「弘法大師 空海」
によって９世紀に日本に伝えられました。
（それ以降、中国国内で密教は急速に衰退し、本家チベット密教も
中国共産党のチベット侵攻によって根絶やしにされました。）
空海は、本家チベット密教の修行僧達が身につけていたような
いろいろな術を使えたそうで数々の伝説が残っています。
そのため日本国内の気功修行者の中には空海をいろいろ研究して
いる人が多いんですね。
逆に、チベット侵攻で国外へ逃亡したチベット密教僧が中国の気功家に
影響を与えて、それが日本に伝わったりもしています。
このように気功は密教からいろいろ影響を受けているんです。
そういうわけで、わたしと友人が習いに行っていた気功家の方も、
空海を研究していて、思想面でかなり影響を受けているようで、
「気功指導を通して空海のような人物を作りたい」
と言っていました。
そのせいか価値観が宗教寄りになってしまっていて、
「お金は悪だ。」とか「お金は人間を堕落させる。」みたいな事を
よく言っていました。
わたし自身としては、
（お金が悪いわけではなくて、
お金を上手に扱う知識とお金に振り回されないマインドを
持てばいいだけの話じゃないか。）
（この人の言う事は間違っているな。）
と思っていました。
それに空海という人は、遣唐使として中国に渡る際に大量の金を
用意したり、日本に帰って高野山を開いたわけですから、
たくさんのスポンサーからお金を集めるのがとても上手い人だったと
思うんです。
ですから、堅苦しい悟り系タイプではなくて、たくさんの人を惹きつける
人間的魅力あふれる人だったような気がします。
そういう感じで、わたしはその気功家の言うことには違和感を覚える
ようになり、徐々に心理的な距離を取るようになりました。
今でもよく憶えているのですが、ある時その気功家の方が
「お金ってのは怖いんだ。」
「今、道行く人に１億円積んで人を殺してくれと頼んだら、
みんな喜んで人を殺しちゃうよ！！」
と言ったんですね。
わたしは内心呆れたのですがそのまま黙っていました。
練功が終わり外にでると、気功の友人が腹を立てていました。
「そんな１億円で頼まれたからって、人を殺すわけないだろ！」
「空海だかなんだか知らないが、自分だけ正しいと思って
他人を見下しているんじゃないか！」
と頭から湯気を立てていました。
わたしは、
（確かに自分が悟りを目指しているからといって、他人が全て劣っている
ように見下すのは良くないな。）
（ここに通うのもそろそろ潮時かな。）
と思いました。
そして、気功の友人に
「まぁ、空海はもういいから、腹も減ったし これから何か一緒に喰うかい（空海）？」
とさり気ない冗談を言ったものでした。
しかし、空海以外にも影響があったんですね。
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