Kismetから6月発売予定のCD その1 | サイケデリック漂流記

Kismetから6月発売予定のCD その1

Tracks
Truk
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Trukは、元Hunger!のドラム&ボーカルで、のちに再編成Captain Beyondに参加するBill (Willy) Daffernが在籍していたオクラホマ出身の5人組。本作は1970年にColumbiaからリリースされた唯一のアルバムです。

音は、サステインの効いたファズギターと、要所に入るハモンドオルガンをフィーチャーした、へヴィサイケムードあふれるハードロック。Gunの"Yellow Cab Man"をカバーしていることからもわかるように、当時隆盛していた、リフ主体のブリティッシュハードロックからの多大な影響が窺えます。

アルバムはメジャーレーベルからのリリース(歌も演奏もメジャー級)にもかかわらず、これまで本国で不当なまでに無視され続けてきた、「秘められた宝」的アイテム。話題にならなかったのは、陰影や渋さ(地味さ)までも忠実に、英国ロックの文法を取り入れてしまったためなのかな?とも思います。コントラストとなるメロウなバラードチューンも素晴らしい。マイナーハードロックファン、ファズギター好きは要チェック!

ちなみに、プロデューサーはSonny Knightとともに、Buffalo SpringfieldのDewey Martinの名がクレジットされています。

1. Country Woman
2. Got To Find A Reason
3. Pretty Lady
4. Winter's Coming On
5. Sun Castle Magic
6. Yellow Cab Man
7. Five Is Together
8. You
9. Silence Ending
10. Max



Yesterday's Folks
US 69
Yesterday's Folks

US 69は、シタールコンピ"Electric Psychedelic Sitar Headswirlers Vol.2"の冒頭に"I'm On My Way"が収録されていた、コネティカットの5人組(アメリカ人2人+メキシコ人3人)。"Yesterday's Folks"は1969年にBuddahからリリースされた唯一のアルバムです。

"I'm On My Way"みたいな「どサイケ」な曲ばかりではなくて、ホーンの入ったR&Bナンバーや、フルートが活躍するジャジーな曲、アフロビートやストリングス入りのポップ~メロウサイケチューン、サウンドコラージュやエフェクトがファーアウトな約10分の"2069: A Spaced Oddity"まで、バラエティに富んだ内容。いわゆる「分裂系」の作品なんですが、これは60年代にしか生まれ得なかっただろうなという、なにか熱いものがこみあげてくる一枚。

ジャケットにはメンバーの写真や名前がクレジットされていますが、Buddahからのシングルの"Yesterday's Folks / African Sunshine"がMustard Familyという名前でリリースされていたり、アルバムの内容やUS 69というグループ名などから考えて、「企画もの」的なプロジェクトの性格もあったのかもしれません。ちなみに、ジャケットデザインはBeacon Street Unionの1stを手がけたJohn Sposatoによるものです。

1. I'm On My Way (A Patch Of Blue)
2. Yesterday's Folks
3. I'm A Nobody
4. African Sunshine
5. I Hear You Talkin'
6. Miss Goodbody
7. Never A Day Goes By
8. 2069: A Spaced Oddity