Shadoksから10月発売予定のCD

Farm
Farm
"The Innermost Limits of Pure Fun"のFarmではなくて、こちらはイリノイの6人組。本作は1971年にローカルレーベル(Crusade Enterprises)からリリースされた唯一のアルバムです。
Quicksilver Messenger Serviceを思わせるハードエッジでギターオリエンテッドな演奏をフィーチャーしたヘヴィブルース作品。ツインリードギターにハモンドオルガン、(ツインドラムではないけど)パーカッションがふたりという編成や、ボトルネックギター入りの"Statesboro Blues"を演っているなど、Allman Brothersからの影響も窺えます(メンバーの話では"Statesboro Blues"はAllmansではなくTaj Mahalのバージョンに触発されたそうですが・・・)。
サイケ風味のジャム曲や、ハードブギーチューンなど("Statesboro Blues"以外は全曲オリジナル)、演奏・歌・雰囲気ともに素晴らしく、500枚しかプレスされなかったというマイナーリリースとは思えないクオリティです。
ちなみに、ギター&ボーカルのGary Gordon(ルーツ音楽系の夫婦デュオThe Gordonsとして活動中。→オフィシャルサイト)がリマスター&リイシューしたCD(3 Chordレーベル)では、なぜかLPのB面→A面という曲順になっていました。

Old Man & The Sea
Old Man & the Sea
これもオリジナルはわずか500枚のリリースという、デンマークの5人組Old Man & the Seaの唯一作(1972年)。ヘヴィなギターとハモンドオルガンが活躍する、プログレ風味のオルガンハードロックアルバムで、全編英語で歌われていることもあり、Uriah HeepやYesといった当時の英国のバンドからの影響が窺われます。
こちらもメジャー感あふれるハイレベルな楽曲・演奏で、70sロックファンには安心して聴けるたぐいのサウンド。ボーナス2曲入り。追記:1974年に制作されたものの未発に終わったセカンドアルバムがShadoksからリリースされる模様です。

Los Speakers
En El Maravilloso Mundo De Ingeson
Los Speakers(The Speakers)は南米コロンビアのグループ。本作は1968年のラストアルバムで、1965年のデビュー作から数えて5枚目の作品となります。
この頃にはメンバーは3人になっていたようですが、ジャケから連想されるようなパワートリオのヘヴィサイケアルバムかと思えば、さにあらず。ストリングスやホーンや、ヘンテコなエフェクトやらコラージュが満載の、アバンギャルドでサイケな冒険作となっています。ムタンチスがもっと脱力して、さらに自由にやりたい放題やっているような感じ。ファズギター度高し!