珍奇な「企画もの」二作をカップリングした2on1発売 | サイケデリック漂流記

珍奇な「企画もの」二作をカップリングした2on1発売

Electronic Music to Blow Your Mind By/Flower Power Sitar
Love Machine, Rajput & The Sepoy Mutiny
Electronic Music to Blow Your Mind By/Flower Power Sitar

チープな「企画もの」レコードを数多く出していたDesignというレーベルからリリースされた2枚のアルバム、Love Machineの"Electronic Music to Blow Your Mind By!!!" (1968)と、Rajput & the Sepoy Mutinyの"Flower Power Sitar" (1967)をカップリングした2on1CDが、Gear Fabから9月に発売されます。

どちらも一応グループ名がついていますが、これらはもう完全にスタジオ制作の「企画もの」作品でしょう。ただ、この2枚、数ある同趣のレコードの中でも、かなり変態度が高い、コレクター向きのアイテムといえるかもしれません。

Love Machineの"Electronic Music~"は、本体の演奏自体はわりとありがちな、ハモンドオルガンをフィーチャーしたグルーヴィ・インストのたぐい(ひょっとしたら使い回し音源かも?)なんですが、とにかく全編洪水のように押し寄せる「似非サイケ」なエフェクトが尋常ではありません。タイトルにある電子楽器から、そこらへんに転がっていたとおぼしきガラクタまで、一本調子で無節操な効果音がずっとバックに流れ続けます。楽曲自体はいわゆるエレベーターミュージック(スーパーなんかで流れてくるような無難なBGM)風なので、なんだかとても変態っぽい響きがします。

もう一方の"Flower Power Sitar"はこれまた輪をかけて強烈で、「あんたインド人? じゃ、シタール弾けるよね?」といって連れてきた人が演奏しているのではないか、と思えるような「迷演」が繰り広げられます。シタールという楽器はもともと「音痴」なところが魅力なんですが、本作のシタールはメロディもリズムも本来の意味で異様に音痴。聴くに堪える限界ギリギリという感じです。情緒もムードもなんのその、ただ陳腐なメロディをたどたどしくたどっているだけという、意味不明なシタール作品です。

"Up, Up and Away"(下の動画)なんかは、数あるカバーの中でも最悪の部類ではないでしょうか。私は初めてこれ聴いた時には笑い死にしそうになりました。でも、脳神経がよじれそうになるという意味では、これほどサイケな"Up, Up and Away"もほかにないでしょう。

Track Listing :
1. Mindblower
2. Zenquake
3. Clockburst
4. Bells From Eternal Zoom
5. Inner Ear Freakout
6. The Shadows Of Vibrate
7. Prism On Prism
8. Lunar Sea
9. Asbury Tripper
10. Coming Down

11. Flower Power
12. Flower Bed
13. I String Beads
14. Do It With Flowers
15. Lullaby For Flower Children
16. Up, Up & Away
17. Beautiful, Beautiful Flower
18. Flowers, Flowers Everywhere
19. Ragadelic
20. Child Of Love

Total Time: 46:53


サイケデリック漂流記


サイケデリック漂流記