Homerの"Complete"コンピ発売 | サイケデリック漂流記

Homerの"Complete"コンピ発売

Complete Recordings
Homer
Complete Recordings

音は聴いたことなくても、ジャケ画にピンと来た人、多いんじゃないでしょうか。そう、レココレ・サイケ号の巻頭カラー頁に、その印象的なジャケが載っていたテキサスの6人組、Homerです。彼らが1970年に残した唯一のアルバム、"Grown in U.S.A"に、シングル曲や未発音源を追加したコンピCD、"Complete Recordings"がGear Fabからリリースされます(6月19日発売予定)。

サイケ本「サイケデリック・ムーズ」で、“プログレッシヴ・ルーラル・サイケデリア”と称されて、そのユニークぶりが熱く語られていたように、アルバムはジャケ同様に忘れがたい印象を残す独特のサウンドでした。美しいボーカルハーモニーを備えたウェストコースト風ルーラルロックをベースにしながら、プログレのような複雑な展開があったり、エッジの効いたギターが活躍したり、いきなりムーグシンセサイザーが飛び出したり、思わず「ウィッシュボーン・アッシュか!」とつっこみたくなるようなツインリードギターによるハードロックチューンがあったり・・・。特に、大半の曲でメロトロンが鳴り響くのがユニークで、ミスマッチとも思えるペダルスティールとメロトロンの競演が耳から離れません。

というと、かなり変態っぽく聞こえるかもしれませんが、楽曲・歌・演奏ともに魅力的で、プログレ的な要素は70年代半ばにGrateful Deadが試みた一連の作品とも通じるものがあり、デッドやKakやTripsichordなどシスコサイケのファンには違和感なく聴けるのではないかと思います。

以前AkarmaからCD再発された際には、1970年のシングルAB面の"Dandelion Wine"と"Sunrise"の2曲がボーナスで追加されていましたが、今回のコンピには全3枚のシングルと5曲の未発表トラックによる、本編に倍するボーナストラックが収録される模様です。


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