Lothar & the Hand People 再発 | サイケデリック漂流記

Lothar & the Hand People 再発

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Lothar & the Hand People
Presenting Lothar & the Hand People

Lothar & the Hand Peopleが1968年にCapitolからリリースしたデビューアルバム、"Presenting..."がCD再発されます(3月23日発売予定)。これまで何度かCD再発されていますが、近年は廃盤状態になっていたようです。

Lothar & the Hand Peopleはコロラド州デンバー出身の5人組。NYに移ったのち、本作ともう一枚、セカンドの"Space Hymn"(1969)というアルバムを残しています。メンバーの中にLotharという人はいないんですが、これは"The Hand People"が操るテルミンの名前。Tonto's Expanding Head Band(Tontoはシンセサイザー)やEcho & the Bunnymen(Echoはドラムマシーン)なんかの先輩にあたります。

音は、シンセサイザーやテルミンを使用した電子音楽サイケ系で、レココレ・サイケ号には載ってなかったんですが、もし載ってたとしたら「エクスペリメンタル/アヴァンギャルド系」のコーナーだったんじゃないかと思います。

アルバム先頭曲の"Machines"(下の動画)なんかは元祖テクノポップといった趣きですが、全部がこんな感じではなくて、カントリーやグッドタイムミュージック、風刺やユーモアを効かせたアヴァンギャルドミュージック、演劇系の「おバカ」ソングといったさまざまなスタイルが、わりとわかりやすいポップなメロディに乗せて奏でられます。その分裂気味の傾向をひとつにまとめているのが、要所に入るピヨヨ~ンな電子音という感じでしょうか。

アヴァンギャルドとはいっても、コロラド出身ということもあるのでしょうか、全体的にユルくてヒッピーな雰囲気なのが特徴です。面白いのが、肝心のLotharがあまり活躍しないこと。セカンドとあわせてもテルミンが使われてるとハッキリわかるのは数曲程度で、そのへんの中途半端さみたいなのも、ある意味このバンドの魅力といえるでしょう。(テルミンがElevatorsのジャグみたいに使われていたら、もっとメジャーなサイケアルバムになっていたかもしれません。)

ちなみに私が持ってるOne Way盤CD(1994)には6曲のボーナスが収録されていますが、今回の再発のトラックリストは今のところ不明です。(ジャケ画像は旧盤のものです。)


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