F.J. McMahon, Michaelangelo再発 | サイケデリック漂流記

F.J. McMahon, Michaelangelo再発

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F.J. McMahon
Spirit of the Golden Juice

"Spirit of the Golden Juice"(1969)は、F.J. McMahonが1969年にリリースした唯一のアルバム。レココレ・サイケ号にもディスクガイド「アシッドフォーク」にもFuzz, Acid & Flowersにも載ってないけど、それが不思議に思えるくらいのダウナーアシッドフォークの名作です。

タイプ的にいえばFred Neil~Tim Hardinに連なるような、「ひとりぼっち」系のヒッピーフォークなんですが、もっとずっと自分自身に近い感じで、かといって決して自閉的なわけでもない。ちょっと独特の距離感を持つユニークな作品です。一見無表情に淡々としているようでいながら、実は深い心の傷(彼はベトナム帰還兵だった)や不安を胸に秘めていて、それと折り合いをつけるため、一度歌に描いてみた・・・そんな感じもします。

それより何が素晴らしいかって、どの曲も全部同じに聴こえる! 同じような曲調が特に盛り上がりもなくたらたらと続くというのは、非サイケなアルバムならマイナスの要素なんでしょうが、本作ではそれが逆に催眠的でアシッドなムードを高めています。演奏はアコギ2本とドラムに、ほとんど聴こえないベース、約1曲で鍵盤ハーモニカみたいな頼りないオルガンが入るくらいで、とても風通しがいいのもグッド。


それから、以前Falloutからリイシューされた男女混声バンドのMichaelangeloの"One Voice Many"(1971)がCD再発される模様です。内容は、"One of the very best major label folk-rock albums"と評されるほどの素晴らしいもの。女性ボーカルのAngel嬢がギターのように奏でるオートハープが全編で鳴り響くのが特徴で、70年代のリリースとはいえ、ムードは完璧に60sフラワーしてます(ファズギターチューンあり!)。

ところで、これらはamazonで12月1日発売予定としてアップされていたもので、いまのところ発売元はどこか不明です。Cherry Red傘下のどこからしいという話もあるようですが・・・。(ジャケ画像はアナログ盤のものです。)

追記: Rev-Olaからのリリースのようです。

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Michaelangelo
One Voice Many


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