Jeremy & the Satyrs 初CD化 | サイケデリック漂流記

Jeremy & the Satyrs 初CD化

Jeremy and the Satyrs
Jeremy & The Satyrs
Jeremy and the Satyrs

Jeremy & the Satyrsは、名ジャズフルート奏者のジェレミー・スタイグが60年代に率いた元祖フュージョングループ。これは1968年にRepriseからリリースされた唯一のアルバムです。(米Wounded Birdから8月11日発売予定。)

プロデュースは、Electric Flagの名盤、"The Trip"(映画「白昼の幻想」のサントラ)を手がけたJohn Court。フリージャズ風のインプロやジャジーなインストナンバーもありますが、ほとんどがマッチョ(オヤジ)系のボーカル入りで、全体の印象は当時のブルースロック風なのが特徴。これは、プロデューサーのJohn Courtが、そのころButterfield Blues BandやJames Cotton Blues Bandを手がけていた、ということと関係あるのかもしれません。

また、Satyrsのメンバー(ピアノのWarren Bernhardt、ベースのEddie Gomez、ドラムのDonald MacDonald)は、ティム・ハーディンの実況録音盤、"Tim Hardin 3 Live in Concert"(1968)のバッキングをつとめていることでも知られています。(Satyrsのアルバム制作時のエピソードなどを、本人が日本語公式サイトで語っています。)

ちなみに、ジェレミーの父親はあの「シュレック」の原作者として知られるWilliam Steig。ジェレミーも絵を描き、本作のアルバムジャケットも彼の手によるものです。19歳のとき事故に遭って顔半分に麻痺が残り、左耳の聴覚も失ってしまったにもかかわらず、好きなフルートを吹き続けてきたという自分自身をモデルにした絵本「うまのディジーとねこのルイジ」(絵は小畠 直子)も日本で出版されています。来年公開予定の映画「シュレック4」にも、パイド・パイパー(ハーメルンの笛吹き)という新キャラクターの吹くフルートで出演するそうです。