Holding Co.のレア音源集発売 | サイケデリック漂流記

Holding Co.のレア音源集発売

The Lost Tapes
Big Brother & the Holding Company
The Lost Tapes

Janisがモンタレーのステージに立ってビッグスターになる以前、1966年後半から1967年前半にかけてのHolding Companyのライブ演奏を収録した、CD2枚組のコンピがリリースされています。

Disc2は、これまで"Live in San Francisco 1966"というタイトルで出回っていたものと同一内容のようですが、Disc1の12曲はメンバーによって新たに発見された未発表音源だそうです。いずれにせよ、ライセンスを受けた正規リリースで、24ビットリマスタリング+Sam AndrewとDavid Getzによるライナーが付属とのこと。


また、「ポスト・ジャニス」期のHolding Companyのアルバム、"Be a Brother"(1970)と"How Hard It Is"(1971)がカップリングされたCDもリリースされます(amazonでは7月15日発売予定)。あまりにJanisのイメージが強いせいか、一般に評価は低いようですが、アルバムそのものは決して悪くないと思います(私は好きで、けっこう回している)。ブルースオリエンテッドで、コシのあるギターサウンド(ファズギターあり)がフィーチャーされた、「正統シスコサウンド」を聴かせてくれます(ホーンセクションはTower of Powerのメンバーが担当しているのも、それっぽい音になっている)。

"Be a Brother"では、新メンバーとなったNick Gravenitesの存在が大きく、プロデュースをはじめ、ソングライティング、リードボーカルと大活躍しています。John Cipollinaとの共作ナンバーの"Joseph's Coat"なんか、激渋ファズギター入りで、オリジナルのQMS以上にヘヴィなのが聴き物。

"How Hard~"ではNickは自作の一曲で歌っているのみですが、その一曲というのが、"Pearl"録音中のJanisのために書いたものの、彼女の突然の死によってインストナンバーとして収録されたという逸話のある"Buried Alive in the Blues"です。ちなみに、"Be a Brother"収録の"Mr. Natural"では、生前のジャニスがボーカルで参加しています(ラスト近くでチラっと入ってくるだけなんですが、その瞬間空気が変わってしまうみたいなところがやっぱりスゴい)。

なお、リンク先のamazonでは「商品の説明」や曲名リストで2枚組のような記述になっていますが、発売元のAcadia(Evangeline)のサイトでは2on1となっていた(ジャケにも書いてある)ので、一枚ものだと思います。

Be a Brother/How Hard It Is
Big Brother and the Holding Company
Be a Brother/How Hard It Is