Victor Brady | サイケデリック漂流記

Victor Brady

Brown Rain
Victor Brady
Brown Rain

"Brown Rain"は、NY周辺で活動していたVictor Brady率いるバンドが1970年にPolydorからリリースしたアルバム。これは「境界サイケ」特集用のネタとしてリストアップしてあったブツなんですが、いま聴き直してみると境界的というよりも、立派な「いかものサイケ」の逸品であると確信しました。

ひとことでいうと「スティールドラム・ヘヴィサイケ」! ギター、ベース、ドラムの骨太なバッキングに乗せて、全編「ピコペン ポコペン」とVictor Bradyのスティールドラムが大活躍します。タイトル曲は、ズブズブのファズギターがフィーチャーされた約12分の似非東洋風ヘヴィサイケナンバーなんですが、本来ならシタールなんかが入るところをスティールドラムがやってるので、そのミスマッチ感がなんとも変態っぽくてたまりません。

リードボーカルもVictorが担当してるんですが、歌ってるあいだもずっと「ピコペン ポコペン」とスティールドラムがせわしなく鳴り続けています。ドラムを叩きながら歌ってるんでしょうか? だとしたらスゴい。ライブ映像を見てみたいです。楽曲も、サンタナ~ジミヘンやアニマルズ風からポップサイケチューンまでいろいろあって楽しませてくれます。聴き終わったあと数時間は「ピコペン ポコペン」と、サイケな幻聴が頭の中で鳴り響くこと請け合いです。

それにしても、こういうのを聴くと、「ロック界のカンブリア爆発」とでもいうのでしょうか、当時の「なんでもあり」で百花繚乱のシーンが目に浮かぶようで、とても面白い!