境界サイケ特集 その15
前回のサーフインスト関連アーティストに、もうひとり付け加えたい人がいました。この人/バンドを語るにはバイカー映画の話とかもしないといけなくて、長くなりそうだったので、今回独立枠での登場となりました。

Davie Allan & the Arrows
Devil's Rumble: The Davie Allan & the Arrows Anthology
Davie Allan & the Arrowsは、西海岸(ハリウッド)出身のサーフインストグループ。1965年にサーフインストの定番曲、"Apache"をリメイクした"Apache '65"をヒットさせ、同年にそれをタイトルにしたデビューアルバムをリリースしています。
彼らのサウンドを表現するのによく使われるのがsurf-meets-psychedeliaという言葉。1965年のデビュー作は、随所に変態っぽいギターが聞けるものの、さすがに従来のサーフインストアルバム寄りの音でした。しかし、その翌年あたりから、サーフビートに乗せたDavieのギターは、並のサイケギタリストが吹っ飛んでしまうくらいの、ズブズブでぐにゃぐにゃに歪んだ変態ファズギターサウンドに彩られるようになります。
その象徴となったのが、バイカー映画のハシリ"Wild Angels"(1966)で使われた、彼らのファズギターインストチューン。中でも、"Blue's Theme"は全米37位のヒットを記録して、いわば「イージーライダー」の「ワイルドで行こう」のようなトレードマーク的楽曲となりました。そして、後続の"Devil's Angels"(1967)や "Born Losers"(1967)、"Glory Stompers"(1968)といったバイカー映画にDavie Allan & the Arrowsはつきものとして、ひっぱりだことなったのでした。
この「ワイルド・エンジェル」という映画、それまでは主に「アッシャー家の惨劇」「恐怖の振子」「姦婦の生き埋葬」といったB級ホラー映画を撮っていたロジャー・コーマン監督が、新たな試みとして若者文化に目を向けた記念すべき作品です。本作に出演したピーター・フォンダとブルース・ダーンは、同監督による元祖アシッド映画「白昼の幻想」("The Trip", 1967)でも共演しています。そして、ピーター・フォンダは「白昼の幻想」に出演していたデニス・ホッパーと、脚本を担当したジャック・ニコルソンと意気投合し、のちに「イージーライダー」を制作することになるのでした。もちろん、バイカー映画の「ワイルド・エンジェル」が、音楽を含めて「イージーライダー」のヒントになったことは言うまでもありません。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ワイルド・エンジェル
さて、Davie Allan & the Arrowsですが、Sundazedが素晴らしいリイシュー作業を行ってくれています。冒頭に挙げたのは全40曲収録の決定盤的2枚組コンピ。歪みまくった変態ファズギターも満載の強力アイテムです。オリジナル盤としては、"Wild Angels"のサントラとは別に1967年に"Blues Theme"のタイトルでリリースしたアルバムや、1968年の"Cycle-Delic Sounds"などがあります。また、同じくSundazedからレアトラック集の"Cycle Breed"(2006)もリリースされています。

Davie Allan & The Arrows
Blues Theme

Davie Allan & the Arrows
Cycle Delic Sounds Of...

Davie Allan
The Cycle Breed

Davie Allan & the Arrows
Devil's Rumble: The Davie Allan & the Arrows Anthology
Davie Allan & the Arrowsは、西海岸(ハリウッド)出身のサーフインストグループ。1965年にサーフインストの定番曲、"Apache"をリメイクした"Apache '65"をヒットさせ、同年にそれをタイトルにしたデビューアルバムをリリースしています。
彼らのサウンドを表現するのによく使われるのがsurf-meets-psychedeliaという言葉。1965年のデビュー作は、随所に変態っぽいギターが聞けるものの、さすがに従来のサーフインストアルバム寄りの音でした。しかし、その翌年あたりから、サーフビートに乗せたDavieのギターは、並のサイケギタリストが吹っ飛んでしまうくらいの、ズブズブでぐにゃぐにゃに歪んだ変態ファズギターサウンドに彩られるようになります。
その象徴となったのが、バイカー映画のハシリ"Wild Angels"(1966)で使われた、彼らのファズギターインストチューン。中でも、"Blue's Theme"は全米37位のヒットを記録して、いわば「イージーライダー」の「ワイルドで行こう」のようなトレードマーク的楽曲となりました。そして、後続の"Devil's Angels"(1967)や "Born Losers"(1967)、"Glory Stompers"(1968)といったバイカー映画にDavie Allan & the Arrowsはつきものとして、ひっぱりだことなったのでした。
この「ワイルド・エンジェル」という映画、それまでは主に「アッシャー家の惨劇」「恐怖の振子」「姦婦の生き埋葬」といったB級ホラー映画を撮っていたロジャー・コーマン監督が、新たな試みとして若者文化に目を向けた記念すべき作品です。本作に出演したピーター・フォンダとブルース・ダーンは、同監督による元祖アシッド映画「白昼の幻想」("The Trip", 1967)でも共演しています。そして、ピーター・フォンダは「白昼の幻想」に出演していたデニス・ホッパーと、脚本を担当したジャック・ニコルソンと意気投合し、のちに「イージーライダー」を制作することになるのでした。もちろん、バイカー映画の「ワイルド・エンジェル」が、音楽を含めて「イージーライダー」のヒントになったことは言うまでもありません。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ワイルド・エンジェル
さて、Davie Allan & the Arrowsですが、Sundazedが素晴らしいリイシュー作業を行ってくれています。冒頭に挙げたのは全40曲収録の決定盤的2枚組コンピ。歪みまくった変態ファズギターも満載の強力アイテムです。オリジナル盤としては、"Wild Angels"のサントラとは別に1967年に"Blues Theme"のタイトルでリリースしたアルバムや、1968年の"Cycle-Delic Sounds"などがあります。また、同じくSundazedからレアトラック集の"Cycle Breed"(2006)もリリースされています。

Davie Allan & The Arrows
Blues Theme

Davie Allan & the Arrows
Cycle Delic Sounds Of...

Davie Allan
The Cycle Breed