Feminine Complex再発
The Feminine Complex
Livin' Love
Feminine Complexの"Livin' Love"(1969)がRev-Olaから再発(再プレス)されています。
Feminine Complexは、Luv'd OnesやDaisy Chainなどと並んで近年人気が高まった、60sガールガレージを代表する、ナッシュビル出身の女子高生バンド。音(アルバムのプロダクション)は全体的には「ソフトロックAtoZ」に紹介されているくらいソフトロック寄りのサウンドですが、ガレージっぽい感覚やサイケ(ファズギターサウンド)やR&Bガールポップなどの要素も、いい塩梅に混ざり合っているのが特色です。
特にアルバム先頭の"Hide & Seek"なんかは、ダークな雰囲気のダウナーサイケ(ファズギター入り)と、甘やかなガールボーカルのビートポップサウンドの融合が素晴らしい。ソフトロック風楽曲群も、トランキライザー的気持ち良さのメロウな女声コーラスがクセになる、ガール版ストロベリーアラームクロックといった趣きのキラーソフトサイケ!
ところで、アルバム本編の演奏があまりに上手いので、スタジオミュージシャンによる吹き替え、またはバンドそのものが「作り物」のフィクションではないかとも思われていたようです。しかし、近年の再発に伴っての取材や、彼女らのみの演奏によるデモ音源の発掘によって、とても女子高生バンドとは信じられないくらいの実力と可能性を具えていたんだということがわかって、いまでは本編もほとんどは彼女たちが実際に演奏していたというのが通説となっています。
残念ながら、大半のメンバーが、将来を心配した親に諭されてバンド活動を中止し、わずか一年ほどの活動期間で終わってしまいました。それだけに、「ひと夏の青春」の瞬間を切り取ったような瑞々しい響きが希少な好盤となっています。
ちなみに、Rev-Ola盤CDは、レココレのサイケ特集号でも取り上げられていた下のTeenbeat盤CD(オリジナルLPの11曲に、同数の未発表デモのボーナストラックを追加したもの)をリマスタリングし、ジャケットをオリジナルに戻して2004年に再発されたもの。今回のリイシューはその盤の再プレスということだと思います。
The Feminine Complex
Livin' Love