緊急特集 トルコがガバい! | サイケデリック漂流記

緊急特集 トルコがガバい!

ここんとこ、一日じゅうターキッシュサイケばっかり聴いていて、頭がシシカバブー状態です。ほんとにヤバいです。中毒性強すぎます。その要因としては、すでにこれまで書いてきたことをまとめると・・・。

(1)トルコ人はファズが好き。70s物でも、本場アメリカのヘヴィーサイケも真っ青なファズギターがビンビン!
(2)ファズも好きだが民族音楽はもっと好き。ビヨ~ン、ピロロ~ンの民族楽器にファズギターが絡む、あの独特のサイケ感覚がクセになる。
(3)トルコ語が日本語の語感に近いものがあり、いわゆる「空耳」の宝庫である。そのため、一緒に歌いたい衝動に駆られる(カタカナ表記の歌詞カード希望!)
(4)コテコテなメロディも日本人の「歌謡曲」の感覚にひじょうに近く、「ハ~ア~」とか「ンニャ~」とかコブシのある節回しは日本の民謡や演歌を思い起こさせる。
(5)空気感というか、漂うムードが怪しげで「天然ファーアウト」してて、それよりなにより変態!

ちょっと前まではターキッシュサイケ関連はamazonではほとんどお目にかかれなかったのですが、ジワジワとトルコブームが盛り上がりつつあるのか?、最近のポップスとかも含めてトルコ関係のCDの取り扱いが増えてきているように思います。



Edip Akbayram
Edip Akbayram (試聴はこちら。)

Edip AkbayramはErkin Korayと双璧をなすターキッシュサイケの二大巨頭らしいですが、メジャー感ではEdipの方が上手を行ってる感じ。上に挙げた(1)から(5)までのすべてが当てはまる王道中の王道で、特にその歌謡曲感覚が秀逸な「変態歌謡サイケ」です。

上の2枚組コンピは昨年リリースされたもので、74~75年ごろの最初の2枚のアルバム(サイケ時代?)にシングル曲などを追加したものらしい。先頭の曲で、いきなりイエスの「ラウンドアバウト」のワンフレーズが飛び出してきたと思いきや、突然トルコの民俗音楽に早変わり(このへんはトルコ勢の得意技)。かと思うと、次の曲はまるで演歌のコテコテなメロディ。もちろん、お約束のファズギターもバリバリです。空耳関係も、「ちょっといい手してるで~」「どーや、どーや、なぁ」「あ~、ゆるむ~」と、もう日本語そのもの。エフェクトや曲の展開なんかも変態で、トルコを目指す全求道者必携の逸品です。

ちなみに、この人はメインストリームの歌手として今も現役で活躍中とのこと(YouTube動画)。




Selda
Selda

以前、YouTubeテーマでチラっと紹介したSelda Bagcan(セルダ・バージャン)のデビューアルバム(1975)がCD化されています。こちらも、聴き終わったらめまいがするほどの濃厚さで、平和なジャケとは裏腹にファズギターこってりの素晴らしすぎるサイケデリック作品(今聴いてサイケファンとしてそう感じる)となっています。

強烈なファズギターがまぶされたトルコな旋律と民族楽器、歌謡曲的な感覚("Nasirli Eller"なんて梶芽衣子みたい)、エフェクトやアレンジの変態さなど、Edip Akbayramと共通するものが多くありますが、インパクトと中毒性では勝るとも劣らない強力な一枚です。

なお、amazonにはこちらの盤もありますが、なぜか値段が千円以上安くなっています。




3 Hur-El
Hurel Arsivi (リンクはMeditations。試聴可。)

3 Hur-Elというトリオの2nd(1976)。これも素晴らしい! こちらもターキッシュトラッド&民族楽器に悶絶必至のファズギターが絡むのですが、よりビート感があって、演奏も達者。でも、やはり日本のグループサウンズみたいな歌謡曲っぽいメロディがたまりません。




Erkin Koray
Erkin Koray (リンクはMeditations。試聴可。)

いわずと知れたターキッシュサイケの帝王。Erkin Korayが名の知れたサイケ関連レーベルから再発されないのはなぜでしょうか。需要あると思うんですが・・・。amazonで取り扱われていないのが寂しい限りです。(追記:amazonに入荷しています。同じ内容かどうかは不明。)




Various Artists
Love Peace and Poetry: Turkish Psychedelic Music

Erkin Koray, Edip Akbayram, Selda, Uc Hurelといった有名どころからレアなアーティストまでを網羅した夢のコンピ。鼻血にご注意ください。試聴はこちら



あと、当ブログ一押しのBunalimの過去記事はこちら