ドラムを叩く時の心構え | ドラム練習帳

ドラム練習帳

ドラムについての情報をまとめています。

其の一 大きい音ほど力を抜く

「大きい音を出すためには大きな力を入れなければいけないから、思い切り叩かなければ」というのはドラマーが初心者の時に陥ってしまいがちな大きな間違いです。本当は大きい音を出すほど脱力するというのが正しい考え方です。腕そのものが何㎏もあるので、力を抜きさえすればとても大きな力が働きます。

其の二 毎日練習しない

「演奏は持久力の勝負だから筋肉を鍛えなければ…」「大きな音を出すために筋トレをしよう」という考え方は間違いです。このような考え方をしていると、数日練習しなかった時の衰えが大きくなります。1日練習しないと3日分下手になるとはよく言われていますが、そんな理不尽なことはありません。例えるなら、「自転車に久しぶりに乗ったけど、うまく乗れた」に近いです。ドラムを叩くことはインナーマッスル(日常生活で使っている筋肉)があれば十分可能で、この「筋肉の使い方」を覚えるようにしましょう。またそういう意味で、力がないからとか女性だからというものはありません。ただ柔軟性はプレイに幅を持たせるためにどうしても必要なので、ストレッチなどは欠かさないようにしましょう。

その一方で、ルーディメンツなどある種のストイックさを求められることもあります。

其の三 気持ちが第一

2つの意味があります。一つは「聴いていて気持ちの伝わるドラマーになろう」という意味と、もう一つは「自分の興味に素直になろう」という意味です。

前者は文字通り、気持ちの入っていないドラミングはつまらないし、プロになるわけでもない大学生バンドができることといえば自らのオリジナリティを表現することだと考えているからです。

後者は、教本を買うのもスティックを選ぶのもドラムの知識を学ぶのもすべて、興味から始まって欲しいという意味です。練習でも、「やりたい曲があるけど今の自分にはできない」からやるのであって、練習が目的になってしまっては何にもならないです。教える側も、そのサポートをする為に教えるという意識を持つのが大切だと思います。

其の四 追うのではなく、待つ

以下は坂上賢時さんが先輩から聞いた話です。

「時間が一定の早さで流れているとするよね、工場なんかにあるベルトコンベアーのように。そして、音を出す一番良いタイミングというものがあるわけだ。だから、その一番良いタイミングで音を出せば、問題ないわけだよね。だからイメージでいうと、自分の目の前をベルトコンベアーがウイィ~ンと動いていて(時間)、ちょうど良い場所が来たら、そこに音をポンと置いてあげれば良いんだよ。クリックに遅れまいとすると、そういう音になる。追いかけるような、焦っているような。別に焦らなくても待っていればちょうど良い「その時」は来るわけだから、自分の目の前に来た時にポンと置いてあげれば良いんだよ。」

焦って演奏している時と落ち着いている時の音は明らかに違います。追いかけるのではなく待つイメージを持つことで焦らずに演奏ができるようになるでしょう。初心者にありがちな「ハシる、モタる」という問題を克服するために意識改革を行いましょう。

其の五 ドラマーの役割を考える

ドラマーの役割とは何でしょう。他のパートが演奏しやすいようにしたり、バンド全体のテンポやリズムを司ったり、曲に強弱や緩急をつけたり、メンバーや演奏を聴く人のテンションを上げ下げしたり、視覚的にノリや表情を伝えたり、色々な役割があると思います。場合によっては自分の演奏レベルを下げても、合図を出すことに専念した方が全体として良い演奏に聴こえることもあります。自分勝手にならないということが大切です。