「秋葉原ベンチャー社長とその仲間たち」
 


商品は何か?


・・・という質問こそが、企業活動の根源であると

ドラッカー博士は言っている。


そして、

多くの経営者とドラッカーのズレは・・・

ここから始まる。

商品=製品という図式が

頭の中に定着してしまっているからだ。


商品は「電卓」です。


その答えは間違ってはいないのだが、

それではビジネスにならない。


もしも・・・電卓を作っている会社が

世界に一社しかないのであれば、
答えは、それでもいい。


だが・・・現実には・・・


電卓を作っている会社は

数え切れないくらいあるわけで・・・


電卓を作り続けている・・・というだけでは

ビジネスが成り立たないのだ。


それは、

どういう電卓なのか?


重要なのは、そこからだ。


どこよりも安い電卓なのか・・・


どれよりも便利な電卓なのか・・・


あるいは・・・


疲れない電卓?なのか・・・


今日!届く電卓なのか・・・


早く打てる電卓なのか・・・


つまりは・・・付加価値がポイントなのだ!


計算が出来るという以外に、

どんな機能があるのか。


商品=機能・・・であるという図式で考える経営者は、
付加価値を高めることに知恵を絞る。


 

だが、付加価値というのは
いつまでも付加価値であるとは限らない。


付加価値にも賞味期限がある。


同業他社が

その付加価値を真似るようになるからだ。


他の製品に無いものが付加されているから、

付加価値なのであり、
どの商品にも付いている機能になった途端に・・・


それは

付加価値ではなくなる。


付加価値であり続けるには・・・


他社が

真似できないものを付加するか・・・


新しいものを

付加し続けるか・・・の、どちらかしかない。



しかし、今の時代・・・


余程、

特殊な特許でもとらない限り、
真似のできない機能など作れないし・・・


新しい機能を

付加し続けることにも限界がある。


機能が少ないときには

消費者は機能の付加を求めるが、
ある一定以上の機能が付加されると
消費者は、もうそれ以上求めなくなるからだ。


使いこなせない上に、
ほとんど必要の無い機能ばかりが

増えていっても意味がない。


画質がちょっと綺麗になったり、
電気代がちょっとお得になるくらいで、
わざわざ家電製品を買い換える人など

滅多にいない。


それが、現実なのだ。


 

では、私たちは

何を売るべきなのだろうか???



商品そのものでは

差別化が出来ず・・・


安売りにも限界があり・・・


機能やサービスという付加価値も

飽和状態になっている。


だとしたら・・・


商品を提供する側から見た差別化は、

もう限界まで来ているのだろう。


うちの会社と、同業他社とは、

ほとんど何も変わらない。


それが、

大概の経営者の正直な気持ちなのではないか。


だが・・・

心配することは無い。


他社との違いは

消費者が見つけてくれるものだからだ。


商品(機能・サービス・値段)が

変わらないにもかかわらず、
消費者は、その違いを見つけてくれる。


では・・・

その違いとは、何なのだろう?


それは・・・

考えても解らない。


なぜならば・・・


消費者も

考えて選んでいるわけではないからだ。


消費者は、心で選んでいる。



商品は同じなのだけれども、

なぜかそこで買いたくなる。


心が欲する。


それは、好きだから。


その店が・・・


その会社が・・・


その商品が・・・


そこで働く人が。


損得は、

頭で考えれば

誰でも同じ答えが出る。


だが・・・

好き嫌いは、人によって違う。

誰に、好かれたいのか?


どう、好かれたいのか?


それこそが、

商品を決める正しい質問なのだと思う・・・