娘の名前
幹子

決めていた
樹木の幹のように、枝葉に拘らず生きていってほしいとの願いである
滋子さん
何もいわない
デモ生まれた直後
病棟へ帰る途中
おめでとうというと
ねえやっぱり幹子
気になっていたようである
何か、幹がかわいらしくないので、
可愛らしく育たないのではと
心配したらしい
滋子さんに心配があたったといったら、
娘はお怒りになるであろう
もうおばさんだ気にするもんかと思っていたら、

自分の子供、サキ だリサだと本当に可愛らしい名前がついている
やっぱり気にしているのだろうか

悪い子としたのかなあ
数ヶ月たって
滋子さんまだ気にしているのかと思ったら
どうせ結婚して姓が変わるのだから
と一言
息子の名前は滋子さんが付けた
姓名判断にしっかりお金をつかったようだ
幸せになってほしい
その願いである
父親と母親
子供に託する願い
本当に違う
違うから良いのだろう
それにしても、幹子
いい名前だと思うのだけれど