今日滋子さんは
リハビリの日
平行棒につかまり、
全身を理学療法士に支えられ、
一歩
また一歩
歩行訓練をしている

この一歩
滋子さん
あなたのものですよ

そして私の
スポンサーをしているラジオ番組に
難病患者のための施設作りをしている人に出演してもらった
2度目の出演のおり、
患者のひとりで、難病にもめげづ
活躍されている人の話とその人が書いた童話の話があった

100冊ほど買い、浦安と他の地域の学校図書館においてもらうこととした。

その人の話の感銘したわけではない

ただ、その人の話を聞きながら
30年前
東京筋ジストロフィー協会と毎日新聞の主催する難病患者と家族の旅行のお手伝いをした
その折、患者の入浴のお手伝いをした
筋ジスの患者(こども)には2つのタイプがあり、やせたタイプで今にも骨が折れるのではとひやひやしながら入浴を手伝った。もうひとつは比較的肥満のタイプである。
とても重たくて、二人がかりで入浴させた。
ぬれた手で裸のからだをしっかり維持するのは本当に神経が疲れた
その折、彼らの屈託のない笑顔が心に残った
お湯につかり、にこにこしながら、お風呂の広い窓から空を眺めていた
その笑顔に
生きているという
彼らの声を聞いた

ラジオを聴きながら、
我々は
生きているという実感をもう一度感じたいと
ふと思った

もう一度あの笑顔が見たいと思った。

世の中に
こんな笑顔と生きているという実感があることを
競争しながら、いつも周りを気にしながら
弱いものを作り、悪ふざけといじめを繰り返す
学校という世界にすんでいる人に
少しでも伝えられれば
そんな気で
衝動的に100冊購入した

衝動である
ほめられることではない

ただ、生きている人がいることを伝えたかった
それだけである
高価な衝動である。
価値は????
わからない
滋子さんが62歳
10月には私も同年となる。
少しだけ若い

道路のちょっとした凹凸
つまづく
階段を下るとき、思わず手すりにすがる
暑い夏
時折立ちくらみ

ちょっとした
ほんのちょっとしたことで
老いを感じる
毎週水曜日と日曜日
滋子さんは下剤を飲み、そして排便

腸の動きがいまいちであり
しかたがない

夜寝る前
滋子さんのオムツ交換
水曜日と日曜日は
排便の処理が増える

衣類やシーツが汚れると
大変
一汗

特に
お酒を飲んだ夜半は
結構しんどい
滋子さんも眠りを妨げられ
かわいそうである

それでも
これが一日の終わりであり
恙無く終わった証でもある
多くを望んではいけない
でも
希望だけは

今日の終わりの締めくくりである
7月末会社を立ち上げた
ぎりぎり7月である
8月はどうもまずいと思ってのことである
オリンピック
甲子園
日本中勇気を与えてくれる月である
特に霞ヶ関
マスコミと国民の耳目がアスリートに向いている
今が一番心休まるときであろう
マスコミ
元気、勇気
こんな言葉を並べているだけで楽な時期である

これから
実は
実は
と暴露をしていけばいい

話題に事欠かない

記事ねたがないときは
動物園に取材

もっとも今は
このうだるような暑さで
マスコミの取材は動物にとってもありがた迷惑かもしれない

私にとっての夏は
いつも

甲子園
8月15日 12時の黙祷に始まり
そして終わる

戦争を知らない世代である
でも戦後の混乱とその後の発展
を知っている世代である

日本の歴史にないほどの荒廃
そして
Japan As No.1
と称された繁栄
そして崩壊

長く続く
沈滞

すべて
8月15日の黙祷から始まっているような気がする

多くの犠牲の戦後
私たちの
歩んできた道
そろそろ
真摯に
振り返ってもいいのではと思う。
それが戦争を知らない
そして
戦後を生き抜いてきた
我々世代の責務では

そう思う
8月である