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28歳の折、初めて渡英した。
当時、1ポンド500円した。
ロンドンからカンタベリー、フォルクストンを経て、ドーバー海峡に面したリゾート、ハイスに到着し、約1ヶ月滞在した。
田舎の町である。東洋人は一人もいない、私一人であった。
仕事は、研修、8時に工場。 Tea time 8時30分から10時まで、講習。Tea time
10時30分から11時まで講習。Lunch time  1時30分から3時まで講習 気がつくとほとんど人はいない。3時過ぎると、ほとんどの人が帰宅する。町の店が5時に閉まるので、買い物を急ぐためだそうだ。おかげで、私は3時から、町に放り出され、一人ぼっちとなる。町は小さく、散歩しても、1時間で飽きる。
骨董屋(アンティーク ショップ)に立ち寄ると、店主が東洋の品物を持ってきて、これは何か、何に使うのか質問攻めに会う。
ほとんど、中国製であり、用途はある程度わかるが、価値はぜんぜんわからない。
時折、めつけを持ってくる。いい象嵌である。でも、価値は不明。
おかげで、毎日立ち寄るのが日課となった。
写真は、ハイスが誇りとしている小型蒸気機関車鉄道で、知る人ぞ知る鉄道である。
RHDRと呼ばれていた。本当に小さい鉄道で、当時冬季は運転していなかった。鉄道の運営はすべて、同好会メンバーであり、駅長、機関士、運転士、鉄道線路の整備すべて、ボランティアであった。
一番の名誉職は、駅長でなく、検札を行う車掌というのもおもしろかった。
日曜日には、この鉄道にのり、イギリスの東海岸を旅した。走る鉄道のそばで羊が草をはみ、おばさんが洗濯をしていた。
帰国の際、英国の思い出に何を買えばいいのか、聞くと、酒や紅茶などのなかに、Wedgewoodというのが、あった。聞くと陶器のブランドであった。
ロンドンに2日滞在し、その折、Wedgewoodを求めにでかけた。場所はOxford St.と Bond St.の交差点か1ブロックhyde parkよりだったと思う。Wedgewoodの専門店に出かけ、紅茶セットを買った。Wedgewoodのすばらしさは、破損しても、写真を送れば、同じものが必ずそろうことである。毎年新作をだし、収集するコレクターも多いとのことである。
毎年クリスマスシーズンにピーターラビットの絵皿をだし、一時毎年購入していた。この絵皿のいい点は、落としても割れないので、こどもの皿としていいとの事であった。当時こどもは大きくなっており、いまさらピーターラビットでもないようで、不人気であった。おそらく覚えていないであろう。
いずれにしろ、いまだに我が家の食器棚には、ティーセットが健在である。シュガーポットはないかもしれない。
昨日のニュースでこのWedgewoodが経営不振で、閉鎖とのことである。
英国のシンボリックなこのブランドでさえ、時代の流れには勝てなかったようである。
老舗には新技術が似合う
至言である
老舗の信用に裏づけられた技術革新は、本物であり、老舗が生き延びる唯一の方法であろう。新年にあたり、老舗ではないにしても、30年医療業界にすくっている私としても、他山の石として、気を引き締めていこうと思っている。
年寄りが老害などとはいわせない。