ワインの話をしたとき、パリ、モンマルトルの怪しげな店の話を書いた。そのはなしの 追加。
私の友人、ムーランルージュかどこかのレビューの店で、食事、滞在中のしごとが終わり、ほっとして、最後の夜だからと少し、冒険の旅。
モンマルトルのなかを歩き回り、これなら大丈夫だろうと、とあるバーへ入る。
店の中は、客はいなく、彼一人。席に案内されると、さっそく見目麗しい女性が2名両脇に座る。お互いに挨拶をしているうちに、注文をしないのに、シャンパン2本到着。景気よくふたりの女性が、ポン、ポン。実に景気がよい。仕方なく、早々に引き上げようと、シャンパンを3人で飲み干し、ついでと女性のひざに手を置き、しばし故郷と妻子を忘れる。
男である。
30分ほどして、理性を取り戻して、勘定をといって、値段をみると、びっくり。20万円。なんとシャンパン1本10万円。
ひざに手を置いたりしたのは、サービス。
交渉して、なんとか10万円に勘弁してもらったとのことである。
よく友人のはなしといって、自分の経験談を話す。でもこれは本当に友人の話。
次が私の話。
パリの昼間、半日の休日。モンマルトルで地下鉄をおり、サクレ・クールへ。しばらくして、階段を下りながら、ちょっとお茶をと思い、店を探す。メイン道路の手前に、サンクト・ジュペリの看板。カフェらしいと思い、路地を入り、それらしき店のドアを開ける。
しまった、これは本当にそれらしい店。

店の中は、客はいなく、彼一人。席に案内されると、さっそく見目麗しい女性が2名両脇に座る。お互いに挨拶をしているうちに、注文をしないのに、シャンパン2本到着。景気よくふたりの女性が、ポン、ポン。実に景気がよい。と同じ手順。ポンポンの前に、シャンペンのボトルを取り上げ、「こんなものは注文していない」「コーヒーだけでいい」こういうときは、日本語に限る。大声でしゃべる。女性たちは困った顔。奥からかなり怖そうな男性が出てきて、やさしいそうに、Can you speak English?とフランスなまりの英語。
やおら、事情を説明。どうも店を間違ったようだと、説明し、帰ろうとすると、座ったのだからtable chargeで5万円とおっしゃる。こちらは、間違って入って、座っただけだから、そんな金は払えない。押し問答が続く。女性たちはいつの間にかいなくなり、私とその男性。こいつゲイでないことを祈るしかないなあと別なことを考えながら、ただ、同じことを繰り返すのみ。根競べ、30分。1時間。そろそろやばそう。いいかげんいくらか支払って、退散しないと、セーヌ川に浮かぶことになるかもしれないと思い出した頃、ドアが開き、二人連れのお客。日本人。フランス人のおあにいさん。このまま、もめていると次のおいしいカモが逃げると思ったらしく、いい帰れと無罪放免。
こちらも、笑顔で、メルシー とさっさとドアを出る。でたところ対面にサンクト・ジュペリの看板。どうやら店を間違ったらしい。
今入った日本人、麗しいパリジャンヌとおいしいシャンパンでパリの楽しい思い出を残されたことでしょう。ちょっと高くついた思い出。
いずれにしろこちらは間一髪。
不謹慎ですいませんが、
他人の不幸は、自分の幸せ。
香港も中国復帰後、この手の危ない店が増えていますし、中国上海でもバンドあたりをうろついていると、キャッチガールのお姉さまがこういったお店にご案内いただけるそうです。
いずれにしろ、旅先の町、ベッドでわびしく孤閨を保っているより、こうした失敗談も一度くらいはいいのかも。