ためしてガッテンの「マンモグラフィー検査が間違う確率」に詳しくなろう! | KNのブログ

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ためしてガッテンの「マンモグラフィー検査が間違う確率」に詳しくなろう!


ガッテンの7/6放送:「数字トリック見破り術」で、
マンモグラフィー検査が間違う確率が9%ということで、
その数字にまつわる「数字のトリック」が説明されていましたが、
ここではそれを詳細に解説してみたい!


乳がんではない女性が、間違って「がんの疑い」と判定されてしまう確率は9%
みんな、この数字の低さに簡単にダマされてしまうのです!
  ・実はそうではありません。そのAさんが乳がんである確率は、およそ3%しか
   ない


なぜ3%位しかないのか?
実は、そもそもの、「この病気にかかっているのは1000人に3人位の割合である」という、「基準率」を忘れている (←知らされていない! と言った方が正確かも・・・)
のです!

基準率が0.3%のものに対して、その病気でないのに陽性or要検査と出る確率の
9%が
高すぎるから、このような直感のズレが生じてしまうのです。



この問題は一般に「感染者問題」と言われているようで、その解き方はこうです:
(解) E : 陽性反応が出る事象 、M : 疾病 M に罹患している事象  とすると、
   求める確率は、陽性反応が出た時に疾病 M に罹患している確率Pe(M)。
   Mcとは、事象Mのcomplementつまり補集合のことである。
     ※記号的には、Pe(M)のeは大文字の添字で書くべきだが、テキスト形式
      では書けないので、このようにした。また、P(Mc∩E)のcは肩の位置に
      書くべきだが、テキスト形式では書けないのでこのようにした。
P(E)=P(M∩E)+P(Mc∩E)
    =(3/1000)(仮に99/100)+(997/1000)(9/100)
    =0.00297 + 0.08973
    =0.0927

P(M∩E)=0.00297だったから、求める確率Pe(M)=P(M∩E)/P(E)から
Pe(M)=0.00297/0.0927≒0.0320388となり、
陽性反応が出た時に疾病 M に罹患している確率は、3.2%位となる。


ここで、疾病Mに罹患している人での陽性反応が出る確率を「仮に」99%とした。
    疾病Mに罹患していない人でも9%の割合で陽性反応が出ていた。
    疾病Mに罹患している人の割合はおよそ0.3%であるという統計があった。
ちなみに、(仮に99/100)の部分を(仮に100/100)としても、
0.00333/0.09306≒0.03578となり、そんなに数字は変わらない!


真っ先に知るべきなのは、「基準率」 base-rate なのです。
基準率を無視あるいは過小評価してはいけないのです!
特に、「基準率」と「間違って陽性反応or要検査と出る確率」が大きく違っていたら、
    0.3%      9%
本当に陽性である確率を計算した方がいいのです。



参考にしたもの:
  「ベイズの定理」
  from 【私的数学塾】さん
  http://www004.upp.so-net.ne.jp/s_honma/probability/bayes.htm



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別の例で、おさらいしておきましょう。
    疾病Mに感染している人の割合は1000人に1人の割合
    ある検査薬を使うと、感染している人の場合には98%陽性反応が出る
    感染していない人の場合には99%陰性反応が出る
ある人がこの検査薬で陽性反応が出た場合、この人が本当に感染している確率は
8.9%しか無いのです! にわかには信じられないですが・・・

上記と同じ方式で、計算してみましょう。
P(E)=P(M∩E)+P(Mc∩E)
    =(1/1000)(98/100)+(999/1000)(1/100)
    =0.00098 + 0.00999
    =0.01097

求める確率Pe(M)=P(M∩E)/P(E)から
Pe(M)=0.00098/0.01097≒0.089334