#5276 雇用 | プロパンガス

プロパンガス

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一部では、「ハリケーンの影響は市場の予測を大幅に超え、甚大な被害を与えた」とか、「当初はカトリーナ程度の被害と予測していたエコノミストが多かったが、ヒットした地域がフロリダとテキサスでは全く経済規模が違う」とか、寝呆けた解説がなされている。

 

が、そうではない。

 

ハリケーンの影響で悪い数字が出た、のではなく、ハリケーンの影響で統計がムチャクチャになってしまった、ということだ。

 

非農業部門新規雇用者数が7年ぶりの減少、マイナス3.3万人で、7・8月分も3.8万人下方修正だから、悪い数字には違いない。

 

3ヶ月平均も、9.1万人まで落ち込んでしまった。

 

ただし、これは、事業者調査の話。

 

家計調査を見てみると、なんと、就業者数が90.6万人(労働年齢人口増20.5万人、労働市場復帰36.8万人増、失業者33.1万人減、四捨五入の関係で末尾不一致)も増えている。

 

これは、人口推計そのものが見直される毎年1月分、あるいは何らかの統計エラーがあったと思われる2013年10・11月(10月が88.9万人減、11月が95.9万人減)を除けば、1983年7月以降で最高の数字。

 

が、どう考えても、この数字が正確とは思えない。

 

程度の問題はともかく、何某かの大きな影響があったと推測されるハリケーンの影響、それを跳ねのけて90万人も就業者が増えるなんてことは、たぶんありえない。

 

ありえないような数字が出てきたのが、今回の雇用統計。

 

おそらく、来月以降にかなりの修正が入る。

 

2001年2月以降で最低の4.220%まで低下した失業率も、2009年7月以降で最高の2.867%伸びた前年同月比平均週給(時給)も、アテにはならない。

 

あーだ、こーだ、市場が反応すべき数字ではない。

 

また11月に出てくる数字を精査することにしよう。

 

あと、ついでに言うなら、雇用統計以外の数字、個人消費関連とか景況感関連とかも、けっこうブレまくりで、何かの判断には使いようもないものが続く可能性があるので、要注意。