地域主権でも地方分権でも、どっちでもいいんだけど。
要は、日本をいくつかの自立した“国”的なものに分割しようというアイデア。
まあ、道州制みたいなもの。
それが、年が明けてから、たて続けに話題になっている。
まずは、3日付の『無敵の日本連邦 ~輝け七つ星』。
http://bit.ly/fPD8Xy
日本を人口規模で1150万~2750万、GDPで5000億ドル~1兆3000億ドルぐらいの7つの独立国に分けて、連邦国家にしようという思考実験。
まあ、巷間論じられるところの道州制とほぼ同じ。
これが、“思考実験”を謳いながらも思考停止に陥っているのは、関東国とやらの定義を見れば一目瞭然。
「東京を除く関東地方」なんだそうな。
何ですか、それは?
たとえば、神奈川県と群馬県は事実上、東京を介してのみつながっているわけでしょ?(かつて群馬の生糸が横浜から輸出されたとか、つながりを探せば、そりゃあゼロではないけれども)
関東地方から東京を除いて、残りの地域を一体運用するなんてことは、まったくナンセンス。
大阪の求心力の及ぶ範囲内を関西国とするのとは、全然違う。
そもそも。
人口規模の1150万~2750万というのが、大きすぎる。
これまでこのブログでも指摘してきたように、世界で今いちばん元気なのは300万~1000万人ぐらいまでの国や都市国家だ。
http://amba.to/e5Zj4L
関西国のように、「大阪の求心力を基準に枠組みを考えたら2000万人になってしまいました」というのはしょうがないとしても、最初っから切り取る規模をこんなにデカいところにおいてはダメ。
とか思ってたら、5日付で出てきたのが田村耕太郎さんの『この際、日本を30のシンガポールに分けたらどうか』。
http://bit.ly/h6QPKW
こっちは、人口400万人規模。(居住人口は500万ちょい)
はるかによく考えられてるし、はるかに良いアイデア。
2つの提言を比較することで、道州制がいかにバカげているか、『横浜市』とか『横浜市+川崎市』の規模がいかに適正かがよくわかる。
「道州制」とか「政令市分割」なんてことを語る人は、例外なく、真剣に地域主権(地方分権)なんか考えたことのない人なんだろうね。