逃げられない性犯罪被害者-無謀な最高裁判決

/杉田聡編著
桐生正幸/橋爪(伊藤)きょう子
/堀本江美/養父知美
各氏共著

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<2014-10>


編著の杉田聡さんは哲学を専門とされる、
帯広畜産大学の教授ですが、
自動車論、ジェンダー論、社会福祉論と
幅広い著者を出されています。
以前杉田さんが出された『買物難民』を読んで感銘を受け、
今回この本を手に取りました。

以前性犯罪被害者の女性自身が書かれた、
手記を読んだことがありますが、
日本では性犯罪被害者に対しての配慮や対応が、
恐ろしく前近代的で人権への配慮もお粗末です。

この本の中で特筆されるのが、
司法の最高機関である最高裁裁判官の稚拙な判断の恐ろしさ。
これには呆れると同時に強い憤りを感じます。
性犯罪被害者は事件の調査や裁判で二重に苦しめられる
“セカンドレイプ”の実態を私たちは、
しっかりと認識して
誤った判例が踏襲されないように、
司法への監視を強めなければならないと感じます。

昔好きでよく読んでいた漫画、
『家裁の人』の桑田判事のような、
“人に向き合う”
裁判官は現実にはいないのでしょうか?