セロトニンとエンドルフィンについて話をしよう
いつか、どこかで誰かが言った。
『楽な人生は幸福じゃない。幸福な人生は、楽じゃない。』
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上記のことばは、精神論だが、同時に大脳生理学的な事実だ。
人間の脳には塞核という部位があり
ここから、セロトニンとエンドルフィンという
脳内薬物を分泌する。出したり出さなかったりする。
セロトニンはヤル気を感じさせる物質だ。
一方、エンドルフィンは幸福感や精神的的充足を
感じさせる物質だ。
そして、重要なのはこの二つの脳内薬物が
出る順番というか、条件である。
エンドルフィンはセロトニンが分泌されないと、分泌されない。
で、セロトニンは、脳が
何らかの障害やら苦痛やらを認識しないと分泌されない。
つまり、障害とか、嫌なことは、脳がそれを障害やら苦痛だと、
認識するまで、実際にやり始めないと、ヤル気は起きない。
また、ヤル気を起こして、何らかの障害を克服しないと、
人間の脳は幸福を感じられないのだ。
楽な人生は、幸福じゃない。
幸福な人生は、楽じゃない。
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だから、推薦で大学合格決めちまう
友人たちを横目で見ても、
焦るな。 受験生。
だから、コネで就活軽々と決めていく
セレブたちを横目で見ても、
焦るな。 就活生。
だから、視聴率競争に利用されて、
大して強くもないのにHERO'Sに出られる
キッズリターンやカラクリ黒人をテレビで見ても、
焦るな。 若手格闘家。
だから、お見合いやら合コンやらで
ガシガシ高収入旦那を捕獲する
セレビッチ(セレブでビッチ)な
パンショク女子を雑誌で見ても、
焦るな。 負け犬女子総合職。
だから、卒論を提出しないでも卒業できる他学部生や、
余裕を持って卒論仕上げてる
真面目なお友達を横目で見ても、
焦るな。
…総書記です。
焦っています。
ある意味、最高の卒業文集とも言えるこの出版プロジェクト。
必死になるあまり、自身の卒論を未だ一文字も書いていません。
一生懸命、卒業文集を作っていたら、卒業できませんでした。
・・・って、どう?
笑えないよ。
オモシロイけど、シャレにはなってないよね。確実に。
例えばあんな感じ。
お年寄りがノンビリご覧になるテレビ番組『笑点』で、
楽太郎師匠が、たまにナイフを抜くじゃない?
お年寄りが楽しめるかどうかを度外視した、
めちゃめちゃブラックな笑い。
『えー、今年の冬は、
ロマンチックでドラマチックな季節になりそうです。
お隣の国が行いました、たいそうな核実験のおかげで、
“ホワイトクリスマス”が“北の国から”』
いやいや。
ミスマーケティング。
お年寄り笑えないでしょう、これ。
ぼくが留年したら?
だから笑えないって。
ぼくと、ぼくのお母さんが。
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とりまえず、7日の三時間に及ぶミーテで決まった
課題やらなんやらをシコシコやりながらの本日。
卒論のゼミがあったのだが、
夕方から先輩がやってる就活イベントに顔を出す始末。
プライオリティということばの意味は知りません。
TOEIC260点だから。
イベント会場は慶應義塾大学三田キャンパスから徒歩五分
・・・とフライヤーにはある。
しかし、場所がわからない。
延々と歩いても辿り着かない。
勝手に追悼、内山田洋さん。
あぁ東京砂漠。
短気なぼくは切れそうになっていた。
わかりづらい地図に。
街の人々に聞いても誰もわからない。
会場に電話すると、おじいちゃんが出た。
―あ、もしもし。
そちらの場所をおうかがいしたいのですが…。
『あぁ、場所ですか。ちょっと待ってちょうだいね。』
―はい。
・・・ガチャ。
いやいや。
受話器おくのはないでしょう。
だって、絶対おじいちゃんかけ直してくれないじゃん。
で、かけ直す。
―すいません、先ほどお電話切れてしまったので…。
『あぁ!?』
―さぁきぃほーどー、お電話がぁ切れてしまいましたのでー。
大声でゆっくり話した。すると、
『あぁ、電話!切っちゃったんですか?』
いやいや。
お前だ。
電話より先にオレが切れそうだ。
―場所をお伺いしたいのですが…。
『なんの?』
老人を埋めても絶対バレない樹海の。
―あ、ですからそちらの会場の。
『あーあーあー、ここのね。すいませんねぇ。
こちらへのお客さまですか。』
どちらかと言えばあちらへのお迎えです。
―はい。そちらさまの場所を教えていただきたいのですが。
『ご用件はわかりました。
ただ、ちょっとわかりづらいと思いますね。』
お前の説明がな。
―えっ、何がですか?
『その…道のりが。』
知ってる。だからお前に電話してる。
ぼくが楽太郎師匠だったら確実に抜いてるね。ナイフを。
―簡単にご説明いただけないでしょうか?
『ちょっと待ってくださいね…。ふふふ。』
いやいや。
笑い所はないぞ。今の会話には。
嫌がらせ前のほくそ笑みか?それともあれか。
テレビ見てるのか。楽太郎師匠の笑点でも。時間的にも…。
・・・ガチャ。
で、切れた。
電話と、オレが。
アルツだ、完全に…。
おじいちゃん…。
ぼくがブッシュだったら確実に押してるね。ボタンを。
やっとの思いで会場に辿り着いた。
徒歩5分て・・・。大雑把すぎだろ。
マルコがお母さんに会えるくらいの距離を歩かされた。
会場はビルの九階。
一階にビルそのものの受付。
いた。
ヨーダが。
ヨーダは警備員の制服で、ふんぞり返って
柿の種を食いながらテレビ見てた。
『笑点』ではなかった。
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で、就活イベント。
先輩が主催しているイベントだったので、
仁義切るためにうかがいはしたものの、
すでに就活を終えたアッシには関係のないことでござんす。
風車の弥七テイストでお送りしました。
しかし…就活イベントって初めて参加しましたが、
あんなものなのだろうか。
照明も、音響も、映像もバラバラ。というよりもグダグダ。
会場設備の問題もあるのだろうが、
もう少し演出を丁寧に作り込んであげないと、
出展する企業にとっても参加する学生にとっても不親切であろう。
演出とは、イベントによって伝えるべきメッセージを
いかに的確に、丁寧に伝えるか、
プロデュース側の誠意の現れだと思う。
感動的に伝えるべきなのか、意外な形で伝えるべきなのか。
金も時間も知恵もいくらでもかけられるはずであろう。
誠意。
イベントのみならず、コンテンツを創りあげていく上で
一番大切なものだと、ぼくは考えている。
企画を最高の形で他者に伝える演出を考え出すのに、
最初に必要なものは、特別にクリエイティブな才能ではない。
ましてや、金でもコネでもない。
まずは、誠意だ。
もちろん、才能も金もコネも、あるに越したことはないけれど。
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で、イベント後にみんなで飲み。
後輩中心に10人くらい。久しぶりに楽しかった。
けっこう飲んだな。
最近は飲んでもだいたい出版プロジェクトミーテ後に、
タカトの経営するバーでいつものメンツで
バカ話するばかりだったから、新鮮で良い気分転換になった。
みんなに相変わらず出版プロジェクトの話をする。
みんな買ってくれると言う。ありがたい。
今まで、イベントやらフリーペーパーやらを
やってきたことはあるぼくたちのチームではあるが、
書籍を出版するのは、もちろん初めての経験だ。
わからないこと、手探りで進むことばかりだ。
最善を尽くしているつもりではあるが、非効率的なことも多い。
コンテンツには正解なんかないから、
いつまでだって話し合えてしまえる…。
編集関係会議とか、三時間を超えるとなかなか辛い。
煮詰まってくると、脳が腫れてくるような感じがある。
PRIDE10で全盛期のボブチャンチンと
真っ向から殴りあったエンセンみたいな感じ。
あの時、ぼくは初めて知ったんだ。
人間の脳が腫れるって。
まぁいい。
でもその感覚を通りすぎると、気持ちよくなってくる。
ランナーズハイにちなんで、プランナーズハイとでも言おうか。
やっぱりこーゆーことしてるのが、
ぼくたちは好きなんだなぁ、と実感する。
出版は初めてのことだから、難しい。だからこそ楽しい。
セロトニンとエンドルフィンが、大放出である。
ケンシロウのように。
がんばろう。
ぼくらはきっと、世の中のセロトニンであり、
エンドルフィンでありたいのだ。
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冒頭のことばは、大脳生理学者の池谷裕二さんが、
佐藤雅彦さんとの対談で語ったことばです。
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