幸運の女神がタイプなのは・・・
いつか、どこかで誰かが言った。
『それほどまでの努力を、人は運と呼ぶ』
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冒頭のことばも実はそうなのだが、格闘家や
プロレスラーの発言には名言が多い。
彼らのことばのセンスはずば抜けている。
小学四年生からプロレスにハマり、
現在ではPRIDEを見届けるために、
二月に一回は必ずさいたまスーパーアリーナまで通い、
『紙のプロレス』時代から『kamipro』を購読している。
ぼくは、いつも彼らのことばに衝き動かされ、奮い起たされ、
吹き出させられたりしていた。
やはり、極限状態での命のやり取りを生業としている彼ら、
格闘家やプロレスラーのことばには、
日常を逸脱するアクロバティックな感覚と、
研ぎ澄まされた人間の真実が含まれている。
脳が筋肉だからなのか。あるいは筋肉が脳だからなのか。
なんだかわからないけど、スゴい説得力があるんだぞ。
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『痛いのは、耐えられます。気持良いと思えばいいだけなんで。』
―吉田秀彦(ミルコ戦前のインタビューにて)
…いやいや。痛いのは気持良くないから。Mか。
『この試合のポイントは、ミルコとヒョードル、
どちらが上なのか、ということですね!!』
―高田延彦(ミルコVSヒョードルのPRIDEタイトルマッチの解説で
実況アナに試合のポイントを聞かれて)
…それはポイントではなく、すべてだ。断言か。
『あれだけの小橋コールを受けられる選手は小橋だけだ。』
―蝶野正洋
(対戦相手となる小橋健太の印象を聞かれて。)
…そりゃそーだろ。
『マット界のど真ん中を歩いてやる。』
―長州力(新団体旗揚げの意気込み)
…どうぞどうぞ。すぐ潰れてしまったんだけど…。
『アイム、アメリカ!!』
―吉田秀彦(PRIDEラスベガス大会で現地の観客に挨拶)
…ちがう。絶対違う。
『オレたち天コジ(タッグチーム)はなぁ、
1+1が2じゃねぇんだ。
1+1が100になるんだ!10倍だぞ!』
―天山広吉(小島選手とのタッグチーム、天コジの勝利を祝してのマイクアピール)
…100倍だ。
『オレたち天コジ(タッグチーム)はなぁ、
1+1が1にも2にもなるんだぞ!!』
―天山広吉
(小島選手とのタッグチーム、天コジの勝利を祝してのマイクアピール)
…2にはなる。普通に。
『このリングは、命がいくつあっても足りないリング。
まぁ、命がたとえいくつあったとしても、全部このリングに賭けますけどね。』
―藤田和之(PRIDE復帰戦後にPRIDEの印象を聞かれて)
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まぁ、男にとって、
仕事ってのはこうあるべきなんだよな。たしかに。
総書記です。
現在大学四年生。
卒業まで残り44単位。
卒論はまだ一文字も書いてません。
にも関わらず、卒業制作としての出版プロジェクトに没頭しています。
明らかにプライオリティ間違えてる。
内定先に第一志望だった広告系が決まっているというのに…。
コンセプトやらマーケティングやらについてチームで議論する日々。
企画について、正解はない。
議論は尽きない。
正解不正解を決めるのはマーケットである。
あるいは時間である。
とかなんとか難しいことを言ってみても、
やってることは授業サボってカフェで
真剣10代しゃべり場ばりに大騒ぎしている23歳の男たちだ。
ちなみに外見は全員マニアック。怪しい。
―世の中変えてやろうぜ。
―あぁ、一発デカいことしでかして、吹き飛ばしてやろうぜ。
―オレたちに続く若者にも期待したいしな。
―オレたちはきっかけを創れればいいんだ。
…殉死覚悟のテロリストか。
あるいは深夜にPCに向かってカリカリと
一単位にもならない文章を延々と書き綴っている23歳の男たちだ。
ちなみに外見は一人太っている。可愛い。
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で、この日は、ちゃんと授業に出ようと思って大学へ。
2限。行ったら休講。
ひくわ。
せっかく大学に来たのに…。
休講しやがった若手セクシー美人助教授に顔射願望。
しかし、誰もいない教室は広くて静かで具合がいい。
自分の事務所のように使ってみる。
教室のど真ん中に資料を広げ、
携帯電話から営業電話をかける。
マスコミ電話帳を頼りに無差別攻撃。
コネなしノウハウなしのゲリラ攻撃。
ゲバラ氏、オラに力をー!!
出版社に電話。
取次を介して、持ち込み担当に変わる。
出版企画部編集本部長が出た。
PRIDEで言えば、高田延彦さん。
スゴい偉い人なんじゃないか。
あるいはスゴい適当な人なんじゃないか。
何を言っても『鳥肌立った!!』で終わり、みたいな。
エスペランサーに胸を震わせつつ営業。
『お忙しい中で突然お電話してすみません。
実は企画の持ち込みを…。』
『はい。わかりました。
じゃあ明日にでも会社来てください。』
『えっ!?』
…FAXとか、データとか、企画書送らなくていいの?
即アポ!?
危うくス〇ービーチにかけてるのかと思った。
サクラ?
流石は統括本部長…。
脳内に名曲トレーニングモンタージュが流れる。
この一本の偶然の電話をきっかけに、
ぼくらの出版プロジェクトを大きく前に進み始めた。
でも、この時は、そんなことには気づいちゃいなかった。
今は思う。
幸運の女神はきっとデブセンなんだって。
いやいや、女が、ちょっと無茶する男に弱いのは、
普遍的な真実だってことなのかな。
あとは、休講しやがった若手セクシー美人助教授に感謝感激。
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冒頭のことばは、元暁星高校柔道部監督鈴木義和さんが、
2000年度主将に贈ったことばです。
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