モーモーパラダイス
群れるのが嫌いだ。
一分一秒、時間が過ぎれば過ぎるほど劣化してゆくのが、退化してゆくのが分かる。
群れの一人一人がどんどんダメになっていく。
大きな牧場を想像してもらいたい。
牛がいる。たくさんの肉牛がいる。
僕も牛だ。
でも、危機感ある牛だ。僕は問い掛ける。
「君たちはこんなところにいて平気なのかい?」
他の牛が答える。
「ここには牧草もあるし、みんないるよ。最高じゃん。」
そして、気づかぬ牛たちは殺されていく。
屠殺、屠殺。
あるものは国産牛肉として、あるものは肉骨粉として。
「モー。」
食肉監査委員、じんです。
群れるってのはそんなイメージだ。
一人一人が自立しているならいい。肉牛じゃなくて闘牛ならかっこいい。
でも群れると肉牛になっていく。
最初は彼らと一緒にやるのを躊躇わなかった、
といったら嘘だ。
大嘘ー。
ちょっと一緒にいるなかで、肉牛じゃないか知りたかった。
そこには社交的なジョン・トラボルタがいた。
ミーティングの席、本のコンセプトをきちんと決めたかった。
個人で活動する人の対極には団体で活動する人がいる。
それをX軸とするとじゃあY軸は?
うまいカテゴリが浮かばない。
そこでジョンはポンポンと意見を出す。
否定されながらも次々と。
こういう場で意見を言えるヤツって貴重だ。
傍観者ならいくらでもいるけど、否定されても次々提案できるヤツ。
こいつはちょっとスゴい。
そこにはギャル男界の黒い彗星がいた。
本の企画が決まり、次々に出版社へのアポを取っていく。
そして、実際の交渉まで持っていく。経験上ここは結構難しいハズなのに。
多分彼独自の催眠術があるんだろう。ニュータイプだし。
しかもパソコン系も強い。ジオン軍のエースだったのかもしれない。
こいつはちょっとスゴい。
そこには腰が低いバーのマスターがいた。
実際に取材し、インタビューしたものを原稿化。
テスト段階とはいえ、文字起しをかなりの重労働だ。
人によっては六時間ぶっ通しでやっても一時間のテープを起こすことはできない。
しかし、マスターはすぐに持ってきた。
僕もさすがに声をかける「お疲れ、大変だったろ。」
「いや、六時間ぐらいだし、そうでもないよ。」
これが一時間、二時間なら通用するセリフだろう。
でも六時間ぐらいだし、とはそうそう言えない。
こいつはちょっとスゴい。
そこには赤いシャツがいた。通称赤シャツ。黒じゃないし、麻雀が強いかは分からない。
一旦出版社に原稿をもっていった。
自分でもどう原稿をいじるべきか迷っていた。
赤シャツの助言は的確だった。
出版社の人よりコメント詳しかった。
シャツは赤いが、パソコンは白い。髪は黒いし、髭が濃い。
こいつはちょっとスゴい。
そこには太ったプロデューサーがいた。
僕も友達がいないわけではないし、見識が狭いわけでもない。
走れるデブぐらいいる。
でもフレキシブルでスピーディな踊れるデブはそうはいない。
こいつはちょっとスゴい。
よって、このなかで本を作ろうと思えた。
夜明け前。
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