現代の我が国において英語は(学力系)入学試験では無視できませんし、英語に関する講座や検定試験も盛んではあります。
それでも、何かと英語下手が話題となるのが日本人。国際会議に出席しても、露骨に揶揄される事も珍しくはございません(体験談)。。。
それが江戸時代ともなると、メリケン(英語、Americanから来ているとされる)の日本での状況と言えば・・・
今週(2月11日本放送)のNHK大河ドラマ「西郷どん」<第6回 謎の漂流者>にも、その一端が見え隠れするのです。
琉球に漂着した(薩摩の役人に捕縛された)「謎の男(ジョン万次郎)」の真意を知るべく西郷・大久保が骨を折る・・・という筋なのですが、
・ジョン万次郎が薩摩藩に西洋技術を指南。
・西郷と大久保が島津斉彬に重用されてゆく。
という2つの史実を
「医者だった大久保の(母方の)祖父譲りの辞書」で「万次郎の英語を大久保が和訳」→「大久保、大手柄」
という創作の接着剤でくっつけました!という強引な展開です。
(1)一体、時代考証は何をしているのか・・・
「強引な展開」と書きましたが、もはや茶番の領域かもしれません。一体時代考証は何を?・・・と言いたい気持ちにもなるでしょう。
ただ、以前の大河担当者から聞いた話ですと、時代考証は「あくまでもチェック役」との事。
要するに、「その時代に有り得ない」事だけを弾き出す程度しか権限が無い模様です。
そういう目で見ますと、ジョン万次郎が「LOVE」と言い放ったのを大久保が「愛」と訳さなかったのは、時代考証が効いた可能性が高いです。(※LOVEに「愛」を嵌めたのは明治時代)
(2)あとは・・・
ジョン万次郎が斉彬に召された際の、日本国が米国に比して遥かに劣勢である事の説明(鉄の船が無い、動力の技術が無い・・・など)はチェックしているでしょう。但し、これは素人でも出来る作業ではあります。
結局、英語「LOVE→人を好きになる」だけが、今回の本作が「歴史ドラマ」である事の証となってしまったのです。