本日の外来語(No.16:カメラ[伊←ラテン語]の本来の意味は?) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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本日の外来語はカメラです。これはラテン語cameraから来てはいるのですが・・・

本来の意味は「部屋」。今でもイタリア語ではラテン語を継承してこの意味で使われています。


それならば、イタリア語では写真機(いわゆるカメラ)事をどういうのかと申しますと、

macchina fotografica(「マッ」キナ フォトグ「ラー」フィカ,アクセント位置を括弧で表示)、すなわち「写真の機械」であり、多少長くなるものの写真機という概念を「素直に」表現した語です。


では、どうして「部屋」が外国では「カメラ」を示す様になったのか・・・

これには、camera obscura(暗室)という語の存在が関係しています。これの「省略語」として、英語ではcameraは「暗室」を示すようになっていたのです。


そして、写真自体は写真機の発明以前から「暗室」に小さい穴を明けた「ピンホールカメラ」を用いての撮影が可能でした。理科の実験でされた経験のある方も、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

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ピンホール写真の原理(Wikipediaより)


この写真用具を示す「暗室」がその後写真機が発明されてもそのまま使われ続けたという訳です。


なお、フランス語でも写真機の事はカメラ(came'ra)といいます。これはイタリア語とは違ってラテン語を継承せず、英語からこの語の用法を輸入したためです。