あすか・よしの談義(第4話・三都物語京都編) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

H「前回は神戸に首都が(一応)有ったという事を確認しました。」


K「ところで、現在の首都は東京ではない・・・なんていう説があるのはもちろん御存じですよね。」


H「首都京都説ですね。まあ明確な法律は無いとはいえ、実質的にはどう考えても東京ですけれどね。


でもこの話、実は学会委員会懇親会の席で話をしましたら、T大学の先生方は皆さん御存じでした。」

(※注:理工系の学会です。)

K「結構知られている話だ・・・と。」


H「あくまでも『話のネタ』としてですが。で、その根拠は京都御所にある『高御座(たかみくら)』です。」


K「天皇の即位式が行われるのが高御座ですからね、まあ、皇位の主体が京都に存在する訳ですから、そう言われるのも無茶な話とまでは言えませんね。」


H「そして、今でも即位式は高御座で行われているのです。大正・昭和天皇は即位式のために京都の高御座まで移動されました。ですから、この時点まではこの説は有効です。」


K「今上陛下は違ったのですか?」


H「高御座を皇居まで移動させたそうです。そして、終わったら京都御所に戻したとの事です。」


K「戻した・・・という事は、まだ首都京都説は存続ですね!」

H「まあ話のネタとしてですが。

それよりも地元の方からよく聞くのは、東京「遷都」ではなくてあれは明治天皇の行幸(天皇のご出張)という主張ですね。4代150年以上に亘るものすごい行幸ですが。」


K「『そのままお帰りにならなかっただけで、だから正式な遷都ではない』という訳ですね。まあ本当に『行幸』と騙したらしいですからね。」


H「明治維新において首都が明文化されなかったのも、意外とこういった事が背景に有るのかもしれませんね。」(つづく)