サイバーエージェントエンジニアの新卒期間(08新卒 J.O.の場合) | サイバーエージェント 公式エンジニアブログ

 皆さん、こんにちは。新規開発局の基盤チームで、モバイルアプリやPCアプリのプラットフォームを担当しているJ.O.(女)です。

 今回は「新人エンジニアの教育体制」と題しまして、わたしがかつて師事していたH.T.さん とT.T.さんについて紹介したいと思います。お二人から学んだことは、本当にたくさんあるので、一部しか紹介できないのが残念ですが、今年は今まで以上に新卒採用も強化しているようですし(キーマンエンジニア、フル出動体制....)、弊社を受ける方が、このエントリから、サイバーエージェントの新人教育の方法が少しでも伝われば幸いです。

わたしは、学生時代、計算科学の分野で、量子化学の研究をしており、電子やプロトン、また原子核が、レーザー場の中でどのように挙動するかをシミュレーションする方法を開発していました。基本的には数式とにらめっこして、がりがり導出ということをしていました。

プログラミング経験といえばfortran77(計算科学ではメジャー言語)をさわったくらいでした。このようなWEB系のサービス開発に関しては、全くの初心者で入社したわたしが初めて教えを受けたのはH.T.さんでした。

H.T.さんは技術的な指導を手取り足取り教えるかたではありませんでした。

○○できる?
やります!」(わたしはこういう性格)
じゃあ、がんばってね

といった感じで、プロジェクトの進行からプログラミングの実装まで、全ての舵取りをわたくしに託されました。

ときどき「本当にそれでいいの?」と問いかけをしてきました。

わたしが一番悩まされたのは、

・エンジニアとしてみんなの提案をどれだけ実現するか
・エンジニアとしてシステムをどれだけ守るかでした。

みんなの提案を実現しようと奮闘すると、「システム的にそんなことしていいの?」、
システム的に良くないから、提案をはねのけると、「提案を実現しなくていいの?」
といったように。今思えば、わざとだと分かるのですが。。。


また、H.T.さんは自分で行動して見せたりしました。DBエンジニアの方に、質問して見せたり、プロジェクトのMLやMTGで、提案をしてみたり、疲れているプロジェクトのみんなにお菓子を配ってみせたり。

H.T.さんは決して答えを教えませんでした。

自分で答えを見つけていけるように、自分で良いと思ったものを選んで行動できるように、わたしを育ててくれました。
また、エンジニアとしてプロジェクトにどう関わるかは、自分の行動次第だということを学ばせていただきました。


※最近は、「口が達者に成りすぎた・・・」と心配されているようですが。。



そして私が配属後、一年満たないうちに、

「コーディングに没頭したい!!!」とH.T.さんは基盤系開発のチームの方に旅立っていかれました・・・。
それから半年は一人ぼっちチームだったのですが、それはそれで本当に鍛えられました。


その後、T.T.さんのチームに配属されました。

T.T.さんは、「教育」というよりは、T.T.さん自身がミドルウェア周りを中心に色んな技術に興味をもち、何でもやりたい」「共有したい」「共有して欲しい」精神の方でした。

こちらが1話すと、10返えしてくる感じです。

T.T.さんチームでは、色んな勉強会が開催されました。T.T.さんがチームサーバ作りたい!!!と言い出し、チームのみんなで、秋葉原にパーツを買いに行き、みんなで組み立てたり

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チームでライトニングトークをしたり、ほかのチームのエンジニアを招いて勉強会をしたり、みんなで近況をお話しするお茶会をしたりしました。


※お茶会でお披露目されたAndroid版Pigg
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T.T.さんの純粋な「やりたい」「共有したい」「共有して欲しい」精神とT.T.さんの人柄は、色んな人を動かしています。

以上がわたしが教えを受けたお二人の照会です。

お二人とも、全然違うタイプの方でしたが、共通しているのが、
決して、「こうしろ」と決めないこと

です。

教育体制、と書きましたが、私は、トレーナーであったお二人に、ああしろ、こうしろと指導された覚えはありません。お二人の指導の下、webサービス開発に対して、右も左も分からなかった私ですので、数えきれないほど失敗を繰り返してきました。

ですが、どんなやり方でも、私なりに納得するまで試行錯誤し、最終的にリリースできた瞬間の達成感は、今でも忘れません。

もちろん、技術的な知識も数多く教えていただきましたが、それ以上に、お二人の、指導というよりも、背中で語る教育方針で、自分が思い描いている目標に対して、自ら考え、突き進んでいく、エンジニアとしての在り方、働き方を学んだような気がします。

このようなお二人の下で、新卒時代(※)をすごすことができて、大変恵まれていたと感じます。


※M.S.注:我々の組織では新卒期間を2年間と定めており、その間はそのエンジニアにあったアドバイザー、サポーター、メンターを適宜アサインすることになっていますが、J.Oが述べたとおり、「○○しろ」と逐次指示することは極力さけるようにしています。