ゆたかや繁栄の謎に迫る!

 

2月7日(火)

 

昨年のNHK大河ドラマで登場した真田一族の本拠地、人口12万人の上田市で信じられない成果を出しているのが「ゆたかや」です。高級呉服の店として1店舗14億円を突破する売上高、経常利益は1億円前後を持続。

 

同系の大衆呉服店「どうひら」と合わせた売上高は22億円を突破。理論的には不可能な売り上げ実績の秘密はどこにあるのか?その答は経営者ご夫妻の生き方に求めるほかはありません。

 

研究会をとおしてその秘密を探り、学びたいと考えたのです。結論として「ゆたかやには繁栄の体系(仕組み)があるようで見えず、見えないようで顧客満足へ完璧の体系をつくり上げている」ということです。

 

「あるようで見えず、見えないようである」というこの矛盾こそ、実は日本型経営、日本人経営者の特質です。顧問の嶋口充輝教授(慶応義塾大学)はこれを「不合理の合理」と呼び、門下の金顕哲助教授は「戦略なき経営」と命名しています。

 

「不合理の合理」、「戦略なき経営」が意味するのは、日本の経営者と欧米の経営者との違いです。日本の経営者には「理念があって戦略はなく」、日々の実行プロセスを重視します。

 

理念は「普遍的かつ超長期的であり、日々の実行は超短期的」と嶋口教授は指摘しています。常に「今が大切!」という発想、「時は今にしかない」の道元に通じています。

 

したがって、「日本の経営者は理念を語り、欧米の経営者は合理的な戦略を語る」という両者の特性があるようです。