「手ブレ補正では、ブレてしまいます!」? | 単焦点フォトグラファー
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Taken with GRDⅢ

新発売のカメラには、ほとんど搭載されている機能ですね。
ブレずに写ると気持ちがいいですし。やっぱり必要な機能のような気がします。

じゃあ、なんで「ブレます!」なんて言うんだ?などと言わず少々お付き合いを。

手ブレは、どんな時に発生するのか、順に整理してみましょう。
 手持ち撮影の時
 (体はリラックスしつつ、左手で下からしっかりホールド。シャッターは優しく。)
 焦点距離に依存するシャッタースピードを下回る時
 (手持ちの限界は、通常「1/焦点距離」です。50mmなら1/50が低速限界の目安)
 肉体的静止限界をシャッタースピードが下回る時
 (個人差がありますが1/30が低速の下限です。慣れた人なら1/15程度でしょうか)
 望遠撮影の時
 (「1/焦点距離」は有効ですが、焦点距離200mm以上はフレームを定めることが難しくなります。)

こうして並べて書くと、補正が必要な時ってそんなに無いような気がしませんか?
望遠好きなら、三脚は持っているでしょうし。
「手ブレ補正」の恩恵を受ける場面は相対的に少ないことが判ります。
フィルム経験者はこのような事が体感的に理解できているので、
デジタルカメラの「手ブレ補正機能」を軽視しています。
  手持ちでシャッタースピードが遅い場合、カメラを机や壁に押し付けてブレ対策をします。
  昔ながらのレリーズケーブルも欠かせません。

ところがフィルム経験者も、違う「ブレ」には気を揉みます。「低周波ブレ」です。
  前述の「ブレ」は高周波タイプ。小刻みな振動です。
  被写体自体が二重結像(っぽく写る)するので見ればすぐに判ります。
  これに対し「低周波ブレ」は二重結像は起こしません。ブレずに綺麗に写っていますので、
  構図自体が微妙にズレていることに、気付きにくいですね。
この種類の「ブレ」は「揺れ」と表記した方が判り易いかもしれません。
かなり揺れているのですが、あまりピンときません。
(『任天堂Wii fit』があれば、すぐに判ります。意に反して重心は絶えず揺れ動いています。)
実はこれが厄介なシロモノです。
「手ブレ補正」でブレないと盲信している為、気が付きません。

私自身、イメージした脳内写真と、実際に撮影した写真に差異が発生している時があります。
構図が微妙にズレています。「低周波ブレ」です。
これは、できるだけ排除した方がいいですね。
  「低周波ブレ」は主に平衡機能である姿勢反射と呼吸によって引き起こされます。
  普段の生活では、感じにくいので意識することはありません。
  姿勢反射を低減するには、脚をいつもより開くことで、抑えることが出来ます。
  また、呼吸に関しては、ゆっくりと落ち着いて腹式呼吸をしてください。
  カメラを支える腕が安定します。(胸式呼吸は肩が上下してしまいます。)

ですので首題の「ブレてしまいす!」は「低周波ブレ(揺れ)」を指します。
最近は「低周波ブレ」にも対応した新機種も徐々に発売されているようです。
しなしながら、根本的な解決にはならないでしょう。
「ヒトの揺れによる移動量」が「カメラ内の補正量」上回っては意味がありません。
それに買い換える資金があるなら、しっかりとした三脚を買う方が「お得」です。
新機種に頼る事より『「軽い三脚を使うと、疲れる!」? 』を実践した方が
あなた自身に「プロのスペック」が備わります。

本質を理解できないと、これから先もずーっとメーカーの「カモ」ですよ。


- あとがき -
腹式呼吸は難しくありません。ヨガの経験も必要ありません。
ベッドなどで仰向けに寝てください。
ココからがポイントですが、「足の裏」にクチがあると想定し
空気の通りもイメージしてください。
 「足の裏」から脚を通ってゆっくりお腹に空気が入ります。
 お腹から、脚を通って「足の裏」から外へゆっくり吐き出します。
3分あれば、腹式呼吸のコツがわかります。