「軽い三脚を使うと、疲れる!」? | 単焦点フォトグラファー
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Taken with GRDⅢ

カメラを買うと、まず欲しくなるのが三脚ではないでしょうか。
必要性が「ある、なし」にかかわらず、気になる存在です。
旅行先でも、あると便利ですね。

「三脚なんて荷物なんだから、軽いほうがいい!」などと言わず少々お付き合いを。

様々な三脚があります。大きさ、素材、耐久性、デザイン…。
お金さえあれば、軽いカーボン三脚が気になりますね。カッコいいし。
本当に持ち運びが楽ですし、移動も苦になりません。
(あっきー は、安~い、古~いカーボン三脚があります。実はそんなに使っていません。)

でも、最初から軽いカーボンなんて常用していると、
フォトグラファーの『創造力』が育ちません。

手軽に現場で、移動できてしまうのが最大の弱点です。
一見便利なようですが、三脚の位置をひっきりなしに変えている人を見かけることがあります。
被写体をじっくり観察して、仕上がりの写真が想像出来ていないんです。
つまり画角の眼を持ってない人達なんです。
(それだけ動き回れば、誰だって疲れますよ。動く事を前提にしているからこそ、「軽い三脚がいい」なんて言うんです。)

重い三脚は、セッティングするのにも面倒です。自分でもイヤになります。(5kgは、キツイっすよ)
だから事前にシミュレートします。探ります。考えます。
その頭にある写真を具現化するために、はじめて三脚に手をつけ、セットします。
それをやると移動回数も減りますし、セッティングの労力も減るので結果的に疲れません。

ですので、
重めの三脚は、強制的にフォトグラファーの「創造力を鍛える」道具といえるでしょう。

ストリートミュージシャンで、「軽い方がいい」といってギターを手放して
ウクレレで演奏する人なんていませんよ。
自己表現のために、みんな苦労しています。
(安易な道具が溢れているのはカメラの世界ぐらいじゃないでしょうか?


おまたせ!
これから三脚を買うひとへ - 独断と偏見に満ち溢れた三脚感 –

1.三脚を伸ばして雲台(カメラを固定する台座)の高さが自分の肩ぐらい。
  (注意:エレベーター(三脚の中心にあり、高さを調節する1本棒)を一番縮めた状態で)
2.三脚の重さはカメラ+レンズの2倍程度
3.3段伸縮
4. 現行販売のベルボンは不可

カーボンが有利な状況は、風の無いスタジオぐらいです。
軽すぎるので、カメラを載せると重心点が非常に高く(値段も高く…)て、不安定です。
「ストーンバッグ(おもりを乗せる三脚専用のハンモック)があるよ」てな感じですが、
風が吹くとストーンバッグが微妙に揺れてしまいます。
望遠レンズなら顕著に出るのではないでしょうか?
風を受ける面積が増大するので、当然です。

かといって、無理に重い三脚は必要ありません。
ご自身のカメラ+レンズ重量の2倍程度で十分です。
デジタル一眼なら、三脚は2.0kg~3.0kg程でしょうか。
ただし、
三脚の脚は伸ばせるようになっていますが、3段伸縮モノを選びましょう。
4段伸縮の4段目などは強度が圧倒的に不足しています。

エレベーター(三脚の中心にあり、高さを調節する1本棒)を使うことを
想定せずに三脚の高さを選びましょう。
せっかく3本の棒で支えたカメラを、1本の棒で支え直すのは愚の骨頂です。
「三脚の“一脚”化」を理解しない人は結構いますね。
エレベーターは、あくまで微調整用です。(使っても10cmまで。など、自分で基準を決めましょう。)

メーカーはスリック・ベルボン・マンフロット・ジッツオなど、様々ですが
買ってはいけないメーカーがあります。
国内の名門「ベルボン」です。
三脚は脚の開閉を繰り返し行ないますので、当然、ネジが緩みます。
緩んだネジは締めると、元通りですが現行販売のベルボンは
それが出来ません。
昔のベルボンは個人で「締め増し」が出来たので、
メンテナンスも問題ないですね。