ある障がい者採用経験の豊富な人事ご担当者に「発達障がいの方の雇用を考えていただけませんか?」とお願いしたところ、「聴覚障がいのある人と同じように対応すればいいですよね?」と言われました。このようなコメントをしてくださる人事ご担当者は珍しいです。


そうなのです。聴覚処理障がいのある方の場合であれば、そのように考えてくださるとわかりやすいと思います。話を聞いていても内容が100%は拾えていないということを理解してくださればよいのです。そうすれば、おのずと必要な配慮がみえてきます(具体的には、「事前に打ち合せの資料のコピーを渡す」、「講義・講演のときはパワーポイントの資料を使い、ホワイトボードに板書をする」、「なるべく明瞭で簡単に話すように心がける」、「仕事の指示は口頭だけではなく、付箋メモにも書いて机の上や文書に貼る」など)。そのような配慮があれば、聴覚処理障がいのある方でも情報を捕捉でき、安心して働けるのです。


障がい者雇用に長年携わり、さまざまな障がいの方を採用し、本当によく知っているご担当者でないとこのようなセリフは出てきません。このような理解者がもっと増えてくださることが必要です。また、人事担当者だけではなく、配属先にも理解者が増えてほしいと思います。


私は著書『発達障害の人の就活ノート 』の中で、ひとつの選択肢として特例子会社を取り上げて紹介しています。そこで想定している対象は、あくまで一般就労はハードルが高く、障がいを持つ方が就業する環境が整っていることが望ましいと思われる方々です。本来の雇用においては、「インクルージョン」(一体)であるべきだと考えています。そのためには企業と求職者双方の理解がもっと進まなくてはなりません。これからも発達障がいについての理解を求めるメッセージを双方に発信していこうと思います。


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