米国でコンピュータを学ぶ女子学生の比率が激減 | MATTのブログ ~ 政治・経済・国際ニュース評論、古代史、言語史など ~

MATTのブログ ~ 政治・経済・国際ニュース評論、古代史、言語史など ~

元新聞記者。 アメリカと日本を中心にニュース分析などを執筆します。

米ナショナル・パブリック・ラジオの調査によると、米国で1980年代にコンピュータ科学を学んでいた女子学生の比率が、2010年代には激減していたという。最高だった1984年に37%だったのに対し、2013年には18%まで落ち込んでいる。同科目を学ぶ女子学生は1970年に14%だったのが年々上昇し、1984年を頂点として下降に転じ、その後は年々減少していた。



computer graph




赤がコンピュータ科学を学ぶ女子学生の比率、濃緑が医学、緑が法学、薄青が物理学。(原典は、全米科学財団。)



同じ系統の工学を学ぶ女子の比率は、1%(1970年)から17%(2013年)に上昇しているので、コンピュータ科学を学ぶ女子の減少は異常とも見える。


この原因について同局の調査チームが調べたところ、一つの明確な原因を言うことはむずかしいが、パソコンが一般家庭に普及し始めたのが1984~85年ごろだったことが背景にあるのではないかという。コンピュータにはまってゲーム

などを仲間とするのは専ら男子となり、「コンピュータは男の子のおもちゃ」という認識が広がり、親も専ら男の子にコンピュータを買い与えた。その結果、大学入学時点では、男子と女子の間でコンピュータになじみ使いこなすスキルの差が生じたことが影響している、と分析する。



boys computer



一方、女子の割合が激増した科目もある。9%(1970年)から46%(2013年)に上昇した医学、4%(1965年)から46%(2004年)に上がった法学、14%(1970年)から42%(2004年)に増えた物理学などだ。だが、これらの事実がコンピュータ科学を学ぶ女子の減少を説明する理由とはならないだろう。


日本ではどうなのか、興味のあるところだ。