「僕はJポップのアーティストでありたい・・・・」@サウンド&レコーディング・マガジン・4月号 | 音楽三昧 ・・・ Perfumeとcapsuleの世界

「僕はJポップのアーティストでありたい・・・・」@サウンド&レコーディング・マガジン・4月号

昨日は待ちに待った『サウンド&レコーディング・マガジン 2011年4月号』の発売日。



BLOG仲間であるksykfanさんが、既に記事にしている (ksykfanさんには音楽制作の観点からの分析をお願いするとして) が・・・・・・  オレの記事のほうでも取り上げたいと思う。




capsuleの新作album『KILLER WAVE』が発売延期となってしまったが・・・・・ しかし、そんなことにはめげず、中田氏の"最新プライベート・スタジオ独占公開" となっていたので非常にワクワクして、興味津々で仕事後に書店に向かう。



流通の問題で、店着していないかと思いきや・・・・ あった。


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(以後、ネタバレを気にする方はスルーの方向でよろしくお願いします)







ライターの書いたこの文章に、オレの『KILLER WAVE』への期待感は尚更高まった。





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前略・・・・ ライター : 美メロと先鋭的なシンセ・サウンドバランス良く織り交ぜることに定評のあるcapsuleだが、今回は前者の要素をバッサリとそぎ落とし、4つ打ちをメインとしたストイックな出来。・・・・」




ライター : 楽曲のテンポがすべて128BPMに統一されているものユニークですよね。これには何かの意味が込められているのですか。」


中田 : それは"縛り"として自分に課したことなんです。」


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おー・・・・今回はビートものかぁー・・・・ 早く聴きたい ! ! ! !  待ちきれない ! ! ! !




さらにこの発言もファンとしては頼もしく、心強い。




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中田 : 僕としては、このアルバムもJポップと言えたらいいなと思っているんです。」


前略・・・・ 中田 : 今はJポップじゃないと言われたとしても、10年後に振り返って " あの曲はJポップだったね" ってことになればいいと思うんです。そういう意味で、僕はJポップのアーティストでありたい。」




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そうそう、こういうメンタリティーで音楽に挑むという中田氏の姿勢が、オレは大好きだ。以前の記事で紹介した" 不屈の闘志の人 ・『アストル・ピアソラ』" と音楽に取り組む姿勢がかなり似ていると思うのはオレだけだろうか。








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中田 : 音に興味が行くように作っているので、なるべく良い再生環境で聴いてほしいですね。携帯プレーヤーで聴くのもツールとしてはいいんですけど、"聴いた"っていう感じだけで終わってしまうかもしれない。」


前略・・・・ 中田 : 音楽にハマって、良いスピーカー・システムで聴いたときに、"capsuleって面白いことやってたんだな" って気付いてもらえたらいいですね。それくらい奥行きのあるサウンドにはしているので。」



                      ※※※




確かに・・・・中田氏の楽曲はその再生環境でかなり印象が違ってくる。オレは圧縮音源では中田氏の楽曲は聴きたくない。そして、できることならヘッドフォンはなるべく使用せず、ニア・フィールドであったとしても音源の発生方向が前面であるスピーカーを使って、しっかりと聴きたいといつも思っている。







Recording環境の大きな変化としては、モニター・スピーカーを往年の名機である YAMAHA製の "NS-10M" からGENELEC製の "8040A(希望小売価格:¥147,000・税込)" に変更したことだろうか。


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* 前スタジオの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2009年9月号と2010年4月号


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*新スタジオの様子。『サウンド&レコーディング・マガジン』の2011年4月号から




しかし、最近GENELEC製のモニター・スピーカーを使用するアーティストが増えてきているなぁー・・・・・。たしかプライベート・スタジオでGENELEC製のモニター・スピーカーを採用しているアーティストは "土橋安騎夫氏(おー・・・懐かしい・・・レベッカ!!!)" もだっけ。あと最近だと DYNAUDIO製 の"BM5A"もよく使われている。あっ、DYNAUDIO製といえば、オレもクルマ用のスピーカー・ユニットを一つ持っていたっけ。今は使ってないけど(苦笑)。


確かに中田氏が言うように、GENELEC製のモニター・スピーカーは低音が強いことが有名だ。f特のバランスの取れたサウンドを望むなら、やはり中田氏の言うとおりFOSTEX製のものが良いだろう。ちなみにオレのクルマに搭載されているスピーカー・ユニットの一つにFOSTEX製のものを選択している(??!!・苦笑)ので、その傾向は理解できる。FOSTEX製のモニター・スピーカーなら、ウーハー・ユニットの "FW168HR" と同じくHR振動板を採用したユニットを搭載した"NF1A"だろうか。




またマイク・プリアンプ(マイクプリ)として、Solid State Logic製の "Xlogic Mynx" に搭載された"XLogic X-Rack Mic amp Module XR621"を新たに導入。その狙いは「綺麗にクセなく、一番スタンダードなマイクプリが欲しくて選んだ」とのことだ。


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*トークバック用・マイクはSHURE社製の"SM58" で、ヘッドフォンはAKG製の"K701"。中央にあるのがモニター・コントローラーであるMACKIE製の "Big Knob "。左側に見えるのが今回新調したマイク・プリアンプ。






そしてなんと、Perfumeファンなら当然ご存じ(??!!)の0.5畳程度の" 電話ボックス型のボーカル・ブース(笑)"から、3畳程度の本格的なボーカル・ブースに変貌した。これだとボーカル・ブースの響きを収録してナチュラルなサウンドメイクにも使えそうだ。


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*広く本格的に変貌したボーカル・ブース。



あとはPCを新調したところか。OSはWindows7 Professional 64bit となった。





全体を読んでの感想は、Perfumeの初期の楽曲の作詞を担当していた"木の子氏"が、以前のトークライブで "中田氏はアーティストではなく、ビジネスマン" という発言をしていたと聞いた記憶があるが、その意味合いが今回の記事でなんとなく理解できた。


要は中田氏は折衝・説得能力が非常に優れているのだろう(この件に関しては、Perfumeファンであれば、『ポリリズム』をリリースする際の事務所側とレコード会社側に対する折衝・説得行動として既に有名かもしれないが)。そして外部worksの仕事だったとしても、最終的には自分自身のやりたい要素をうまく織り交ぜられるように折衝・説得する。木の子氏はそのことを "ビジネスマン" と言い表していたのかもしれない。


中田氏は優れたサウンド・プロデューサーであることはさることながら、当然優れたエンジニアでもある。さらに優れたプランナー、プレゼンテーター、ネゴシエーター、コーディネーターでもあるのかもしれないと思った。 本当にすばらしい・・・・・。



このエントリーで触れなかった、中田氏関連の記事の内容も非常に興味深いものであり、2011年のcapsuleとPerfumeのサウンド面における展開を想像するのには非常に参考になる資料であった。







○補足


「マイク・プリアンプ」とは・・・

コンデンサーマイクの音声信号は、外部電源(ファンタム電源)を用いても非常に微弱な信号である。その微弱な信号を、ライン信号に載せれるレベルにまで増幅するアンプのことを指す。マイク・プリアンプの特性は、その音色を大きく左右すると言われている。



Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガ.../サウンド&レコーディング・マガジン編集部

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