優勝、おめでとうございます! | ロンドンつれづれ

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(動画、感謝してお借りします)

 

昨年につづいて、羽生選手、故郷での試合でまたやりましたね!

 

必ず優勝するとは思っていましたが、SPもフリーも、納得の演技だったのではないでしょうか。「もうちょっと・・・」というしぐさをフリーのあとでも見せ、インタビューでは「SPはもうちょっとだったけれど、フリーはもっと・・」という言葉が聞かれました。 演技後、ブライアンに「トウジャンプの前に、緊張した・・・」と話していたような気がします。転倒した直後のクワド・トウのことでしょうか。

 

きっと、パーフェクトの演技はファイナルと世界選手権に取ってあるのでしょう。 その方が、こちらも楽しみです!

 

プロトコルを見ると、また羽生選手の強さのわけがわかります。ほとんどのジャンプでGOE (グレード・オブ・エクセキューション、出来栄え点)がプラスです。 今回、ステップシークエンスとスピンでレベル3というのがありましたが、エレメンツの質を上げることでGOEでの点を積み重ねることができます。

 

GOEの高い演技をすることは、そのままセカンド・マーク、つまりPCS(プログラム・コンポネンツ・スコア)の高得点につながります。 SPの解説でB・ユーロの解説者が言っていたように、またうちの夫が言うように、羽生選手のプログラムには「休んでいるところ」がありません。 常に足も上半身も、難易度の高いステップや動きをしています。 ただ上半身を使うのではなく、3D的に見て、バランスを崩しやすいポジションをとりながら、むずかしいターンやステップを盛り込んであります。同じことは浅田真央選手のポジションにも言えるのですが。だから、スティル写真を撮った時に、どの瞬間をとらえても、芸術的に美しいポーズが切り取れることになります。

 

冒頭のクワドループは、ひとつでも13.57という高得点を得ることができ、得意の3Aのコンビネーションでは、GOEも稼いで、16.08という高得点。 ただクワドジャンプをやみくもに跳んでも、転倒すればGOEでマイナス4点になり、またPCSにも響きますから、得策とは言えません。今回、羽生選手はクワド・サルのコンビネーションで転倒し、GOEでマイナス4点がつきました。成功していたら、さらに10点ほど高いスコアになったでしょう。 もちろん、クワドをたくさん入れて、GOEを重ねることができるようなクオリティにすれば、それは向かうところ敵なしになりますが、今のところ、それができるのは羽生選手とフェルナンデス選手ぐらいでしょう。ジャンプへの入り、そして着氷後のエッジの流れや、トランジションにつなげる技などで、GOEの加点が判断されます。 羽生選手は、音楽にピタリと合わせて着氷することにもこだわっているようで、それもGOEの高得点の一つの要素になるでしょう。ジャンプの入り、出の難しさ、直前、直後のトランジション、ジャンプ中の姿勢、飛距離、高さ、デレイド・ロテーション(跳び上がって少ししてから回転を始める)、着氷後のエッジの流れ・・・それらすべてがあって、GOE3がつくと言われています。

 

反対に、スピードのないこと、ジャンプ前に長いテレグラフ(ただ滑って準備をすること)をすること、リズムに乗らないジャンプをすること、アンダーロテーション、エッジの流れない着氷、姿勢の悪さ、ハンズダウン、アンクリア・エッジでのテイクオフなどは、マイナスのGOEの対象になります。

 

さて、ジャンプは同じ種類を2回しか飛べませんから、クワドをたくさん入れようと思ったら種類をふやすしかありません。すでに4種類のクワドを跳ぶアメリカのネイサン・チェン選手。クワド・フリップを、コンビネーションにして入れてきました。これが成功し、プラスの加点もついて、18.03点です。 クワド・ルッツも、転倒でマイナス4のGOEですが、回転は足りています。 この選手はジュニアの時から見てきましたが、来年あたりはボウヤン・ジン選手と並んで、もしかしたら羽生選手の一番の強敵になってくるかもしれません。まだクワドジャンプの着氷は安定しませんし、GOEも0やマイナスのものもあります。しかし、バレエの基礎があるネイサンの動きはジャンプがもっと安定してくれば、PCSを押し上げるでしょう。同時に、ジャンプなどのエレメンツのGOEが上がってくれば、TESでもかなりの高得点をたたき出すようになるでしょう。まだ17歳。エレメンツの質を上げるには十分の若さです。これから1年とちょっと。 オリンピックに向けて、ストロング・コンテンダーと言えましょう。

 

今日の結果で、ファイナルの6人が決定しました。1番ファイナル可能性のジェイソン・ブラウン選手と2番手のバイチェンコ選手が大崩れをしたので、結果にだいぶ影響しました。

 

男子:

ハビエル・フェルナンデス選手

パトリック・チャン選手

羽生結弦選手

宇野昌磨選手

ネイサン・チェン選手

アダム・リッポン選手

 

すごくいいミックスです。ネイサンも、アダムも好きな選手なので、この二人がファイナルにきてくれることは、すごく嬉しいです。もちろん、優勝は羽生選手にお願いしたいですが・・・。昨年に続いて、きっとやってくれるでしょう。

 

女子

エフゲニア・メドベデワ選手

アンナ・ポゴリラヤ選手

エレナ・ラジオノワ選手

ケイトリン・オズモンド選手

マリア・ソツコワ選手

宮原知子選手

 

女子は圧倒的にロシア色がつよいです。日本選手、頑張らねば。 宮原選手がファイナルに来られて、本当に嬉しい。フリーは素晴らしかったです。その調子で、がんばれ!

 

ポゴリラヤ選手が昨シーズンのスランプを乗り越えて今シーズン頑張っているのが嬉しいです。天使みたいな笑顔のソツコワ選手にも初めてのシニアファイナルを頑張ってほしい。

 

ペア

デュハメル・ラドフォード組

サブチェンコ・マッソー組

ユウ・ザン組

ペン・ジン組

タラソワ・モロゾフ組

セグイン・ビロドウ組

 

中国のペン・ジン組。 パートナーを組み替えてまだ間もないのに、すごいです。女性の方、ジャンプがすごく安定するようになりました。私の好きなタラソワ・モロゾフ組がファイナルに来られて、嬉しいです。

 

さて、アイスダンスは、これからです。パパダキス・シゼロンに優勝してほしいですが、ヴァーチュー・モイア組も、素晴らしい演技をしています・・・。

 

 

羽生君、知子ちゃん、昌磨君、マルセイユで待ってますよ~!

健康に気を付けて、頑張ってくださいね!