やるべき時に強い羽生選手 | ロンドンつれづれ

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ブリティッシュ・ユーロスポーツの解説を聞いていると、羽生選手を表現するのに、He delivers when it matters.ということが多い。


そもそも、B ユーロの解説者、サイモン・リード氏はジュニアのころから羽生選手のファンで、彼が優勝しなかった試合の解説でも「でも僕はこの中で誰に賭けるといわれたら、ユヅルだね。将来性を高く評価して・・・」と言っていたぐらいである。


2012年の世界選手権のニースの第3位の時も、一緒に泣いてるんじゃないかと思うぐらい感動して解説していたBユーロ。


そして、2013年の世界選手権のSPのあとのフリーでの巻き返しの時も、Bユーロは羽生選手をべた褒めした。 オリンピックの時はBBCが、そしてあの中国杯の時もマーク・ハンレッティが解説で、羽生選手とブライアンの決断に理解を示していた。

その時に、繰り返して使われたのが、冒頭の、「彼は、ここぞという時に必ずやってみせる」という表現なのだ。


実力があっても、試合になるとその実力を出しきれない選手も多い中、試合になると実力をきっちり、いや、実力以上のものを出しきれる選手もいる。


もちろん、羽生選手だって人間だから、思うように行かない試合だってあるだろう。

しかし、彼は大舞台ではずさない。

大舞台で、今が大切な時、というところで、ほぼ必ずやってみせるのである。

あの病気や怪我,事故の続いたシーズン、フィン杯を体の不調で棄権し、中国杯で事故のあった2014年のシーズンも、なんとかグランプリファイナルまでこぎつけて、そしてバルセロナの大舞台で優勝してみせた。

昨年、NHK杯で300点超えをしてしまった(敢えてそう言おう)後の、本番の大舞台のファイナルで、「二度は無理だろう」という大方の予想を裏切って、バルセロナで、NHK杯を大幅に上回るスコアで、また「やってみせた」のである。

私と夫は、密かに「きっとユヅルは、また記録を塗り替える」と思っていたのだ。なぜならば、He delivers when it matters、彼は肝心なときに、やってみせる男だからなのだ。オリンピックの時には、100点超えをしたSPを見て、Steel heart (鋼の心臓)と解説者は言っていた。


ライバルが強ければ強いほど、燃える。 SPで失敗して追いつめられた時のフリーで巻き返すことができる。


今度の世界選手権では、フェルナンデス選手、チャン選手、そして若いボウヤンジン選手など、羽生選手にとって「相手に不足ない」選手が揃い踏みだ。


羽生選手がほぼクリーンな演技をすれば、他の選手がクリーンな演技をしても、少なくとも20-30点の差をつけて優勝するだろう。それだけの技術点がある。 いや、ジャンプを2,3個失敗したって、勝てるぐらいのエレメンツ構成になっている。

他の選手は、自分がクリーンな演技をした上で、羽生選手のミスを待たなければ、チャンスはないだろう。

その余裕の上に立って、さらにきっと彼は、「自分の納得できる演技」を世界選手権という大舞台で見せて、圧倒的に優勝するつもりでカナダで練習をしているだろう。

そう、できれば、昨年のバルセロナのグランプリファイナルでの演技を上回るものを見せたい、と。

羽生選手だってコンピュータで制御されたロボットじゃないから、あの神がかった完璧な演技をSP,フリーの両方で揃えてくるのがどれほど奇跡に近いかは、わかっているはずだ。


だから、無理をしないように、体調に気を配って練習をしてほしい。


そうはいっても、期待してしまうのがファン心理というもので・・・。


なぜなら、He delivers when it matters.....




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