- 将棋の子 (講談社文庫)/大崎 善生
- ￥620
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青春のすべてを一手一局に！
天才たちの夢と挫折の物語
奨励会……。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る”トラの穴”だ。
しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶 わず退会していく。
途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の1冊。
第23回講談社ノンフィクション賞受賞作。
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この本の存在は大分前から知っていたのですが、なんとなく億劫で読んでなかったんです。
１話完結ではなくて中心となるのは作者と同じ故郷出身の成田。
そしてそれと同時期に奨励会をやめた人、ぎりぎりなんとかプロになった人という人たちが登場します。
世代的には羽生さんが登場するあたりでその先輩近辺ですね。
高校にも行かず、ひたすら将棋だけに心血を注いで、２６歳でプロになれなかった人たち。
この人たちが将棋をなくしたあとどうなったのか。
特に成田は、マザコンだったため、奨励会入りがおそく、甘やかされたためか社会での決まりごとなどにも疎く大変なことになってしまっています。
親離れ、子離れできなかった家族関係が完全に邪魔をし、そして周りのアドバイスもあまり聞かずということですべてがマイナス方向へと動いてしまいました。
ただ、なんというか、何かに執りつかれる、それを極める人々が全員極めれる立場を得るのではなく、破れていく。そしてそれを忘れる、もしくは消化するのに何年もかかってしまう。
「何か」と出会えたことを幸運とおもうのか、それとも悪魔に魅入られたというのか。
そういう出会いがあることがうらやましくも、恐ろしい。