悔しさから始まる物語 | ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

清冽な雪解けの水のようにほとばしる命の煌めき・・・
至高のアスリートにしてアーティスト、
羽生結弦選手を応援しています。

2015年12月31日の読売新聞に、“羽生「まだ王者ではない」”というタイトルのインタビュー記事がありました。全文を掲載できないのが歯がゆいところですが、これは過去の新聞を取り寄せる、もしくは図書館で探す?などして、ぜひ読んでみたいような内容でした。

ご参考までに
「過去の読売新聞を入手したいのですが」
http://info.yomiuri.co.jp/contact/faq/faq02.html

2015年の総括という内容ですが、「300点を超えるなんて、想像もしていなかった」ということや、300点をNHK杯で超えてしまった後の率直な心境、自分の考える絶対王者像、などについて、結弦くんが真摯な気持ちで答えてくれています。

1


少しだけ引用という形でご紹介させていただきますが、

~勝利の要因について~
尊敬できるライバルが近くにいるから。パトリックやハビエル、宇野選手もそう。スケーティング、4回転ジャンプ等、それぞれ素晴らしい点があるので、みんなのいいところを学んで自分のものにしたいという思いで頑張ってきた。

~NHK杯後の「絶対王者だぞ」発言について~
あれは言い間違い。本当は“絶対に王者になるんだ”と言いたかったのに。でも言ってしまったのは事実だから、自分の言葉に近づけるよう努力するしかない。

1


~完璧な演技をするコツをつかんだのか~
精神と体力のバランスをうまくとらないといけない。自分にとっての黄金比があると思う。両方がうまくはまれば、完璧にいい演技ができる。

そして最後は「五輪の経験は、五輪に生きる。ピョンチャン五輪では素晴らしい演技ができるかもしれない。」という力強い言葉で締めくくられています。

他にもまだまだ興味深いことがいろいろ書かれていました。

結弦くんの並外れた進化の原動力は、悔しさと向上心と、他者へのリスペクトなのではないでしょうか。

1


特に最後の他者へのリスペクト。これは年齢に関係なく、先輩に対しても後輩に対しても、その人の優れたところをいち早く発見し、尊敬し、自分もそうなりたいと素直に認め、学ぼうとすることができる。

皆を引っ張っていく人がそうだから、何かこう、日本のフィギュア・スケート界全体が良い雰囲気で良い方向に向かっているような感じがします。

「悔しい」とか「できるようになりたい」という気持ちは、比較的誰でも持つことができるものだと思いますが、最後の他者へのリスペクト。これは厄介です。

特に大人になればなるほど、プライドが邪魔したり、好き嫌いに苛まれたり、自分の弱さをさらけ出すことができなくなる。

この部分が、年齢を重ねても、どれだけ実績を重ねても、結弦くんは変わらないから強いのかなと思います。

また、完璧な演技が続いた時の心境については、もし失敗してしまったら・・・ファンや周囲の皆さんを失望させてしまうかもしれない。自分自身への悲しさや虚しさを味わうことになるかもしれない。

そういったことを想像して恐怖や不安と戦っていたということが語られていました。

「期待に応えたい」と思う一方で、「期待に応えられなかったらどうしよう」「皆を失望させたくない」と思っていたとは・・・。

「メンタル最強」などと言われながら、実は普通にプレッシャーに苛まれて、悩み苦しんだという人間らしさ、そしてまた、そこで終わらないという人並み外れた強さには、本当に異次元の魅力を感じます。


photo : zimbio