Sportymagsさんのブログより ユヅル・ハニュウ 私のスケート・カナダの思い出 | ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

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Yuzuru Hanyu: My Skate Canada Memories

ユヅル・ハニュウ:私のスケート・カナダの思い出

https://sportymags.wordpress.com/2015/11/05/yuzuru-hanyu-my-skate-canada-memories/

 

※カナダの方のブログの翻訳記事です。筆者は私ではなく、カナダの方です。

この記事の書き始めとしてまず、私のブログの読者の方々からいただいたプレゼントについて、「サンキューとアリガトウゴザイマシタ!」というお礼を述べたい。poissonbleu(=「ショピンの魚に恋して」のサイト上のアドレスです。)、ありがとう。こんなにたくさんのものをカナダに持って来てくれて!あなたに会えたことをとても嬉しく思っている!!

思いもかけないプレゼントを大変光栄に思い、皆さんの優しい心遣いに胸がいっぱいになった。ユヅに関するこのゴージャスな品々を宝物として大切にしたい!!

(以前、Sportymagsさんに頼まれた本を集めているというようなことをブログに書いたところ、特別に募集した訳ではないのですが、御自身の宝物のコレクションの中から貴重な品々をご提供くださった方々がいらっしゃいました。今回Sportymagsさんへ無事、お届けすることができました。本当にありがとうございました。ショピン)

今シーズンは私にとって夢のようなシーズンとなった。というのも私は2.5週間というスパンで2つの大会において、ユヅのスケートをライブで見ることができたのだから。

それがどれほど驚くべきものだったか、そして私にどれほど素晴らしい思い出をもたらしてくれたか、説明するのは難しい。私の中ではもう、世界選手権へのカウント・ダウンが始まった。

グランプリ・シリーズの大会の“通し券”を手に入れることは本当に価値のあることだ。というのもそれは全ての練習セッションを見ることができるチケットだから。

北米では、ラッキーなことにスケートの大会のチケットを手に入れることはそれほど難しいことではない。

もう少しフィギュア・スケートに関する報道があってほしいと切に願ってはいる。ショートとフリーがそれぞれ終わった後、ローカル紙をチェックしてみたが、それぞれの日にほんのちょっとした記事が、スポーツ欄の6ページ目か7ページ目に掲載されていた程度であった。

パトリック・チャンが写った1枚の写真だけが紹介されている程度で、ユヅについてはたった一言触れられているだけだった。

国際大会だというのに何ともひどい報道の扱われ方であったが、私は私のブログを通して、ユヅがどれほどスペシャルかということが伝わることを願っている!

先に述べたように、練習セッションを見学できることは本当に大変な楽しみである。

誰もが毎日14時間もアリーナに座って過ごすことを楽しむ訳ではないが(しかも3週連続で)、私はこうしていると駄菓子屋にいる小さな子供のような気分になっている。

リンクは私にとって第二の故郷のようなものだ。とても疲れるけれど、全ての瞬間がそれに値する!

ユヅをこよなく愛する北米のスケート・ファンとして、私は既に日本でフィギュア・スケートがとてもポピュラーなスポーツであるということを知ってはいた。

マオやダイスケだけでなく、ユヅも日本には大変な数のファンを抱えているが、こうしたファン層は世界中に広がっている。

ユヅがインした2つの異なる大会を観戦し、私は日本のファンが単なるファンではないということを知って嬉しく思い始めた。彼らは本当に自分たちのお気に入りのスケーターに心を奪われている。

ユヅが人気者であることは明らかなことだけれども、彼が単なるファンのお気に入りのスケーターであるというだけでなく、本当に日本の宝として考えられているということを理解するのにさほど時間はかからなかった。

日本のファンは彼をとても誇りに思っている。私はこれまで、これほどのサポートが一人のアスリートに捧げられるのを見たことがない。

私はもちろん、ユヅの魅力を理解している。彼は競技会で勝利して、自国にメダルをもたらすだけのアスリートではない。

ユヅは苦しい戦いを生き残る勝者であり、その大変な努力と、決意と、自分を信じる気持ちで、どんな障害をも克服し、ゴールに到達することができるということを証明してみせる。

日本には本当に信じがたいほど人々の素晴らしい模範ともなるような人物がいる!

スケート・カナダの練習セッションの間中、私も含めてたくさんのファンが氷に近い席を目がけて突進した。

ユヅをこんなに間近に見ることができる機会は稀である。だから、そうした座席はあっという間に埋まってしまった。

最初の練習セッションの間、何百というユヅ・ファンがカメラやスマホを持って彼の動き一つ一つを撮影し、彼が氷の上を動いて行けば、そのスペシャルなユヅの瞬間を捉えようと右へ左へ身体を動かす。

そうした光景を地元のファンは驚いたり笑ったりしていたものだ。彼らはまたユヅが氷の上に現れた時のアリーナの信じがたい静寂についてもコメントしていた。

私が後ろを振り返って彼らを見ると、彼らはどうしてユヅがそんなにスペシャルなのか教えてほしいと聞いてきた。

私はこの質問に不意を突かれたが、ユヅについての簡単な概略を説明した。ユヅがどんなことを経験し、どんなことを成し遂げてきたかについて、わずかな時間ではあったが、その地元の女性たちに好意的に伝えることができたのではないかと思う。

ショート・プログラム

スケート・カナダでユヅのショート・プログラムが私たちに見せてくれたものは、ユヅも実際には人間であったということである。

私は時々、彼にだってだめな日があるのだということを忘れてしまう。彼だって間違うこともあるし、誰にもあるように散々な瞬間を味わうこともあり得るのだ。

しかし、ユヅはキス&クライで落ち着きと成熟を見せた。そして彼は自分の演技について決して言い訳をしなかった。

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こうしたショート・プログラムの結果を誰が想像することができただろうか。ユヅが6位で、2つのジャンプのエレメンツがゼロになってしまうことなんて思いもよらなかったことだ。

とてもショックであまり言葉も出てこなかった。グランプリ・ファイナルに行くチャンスを獲得するために、スケート・カナダで何位で終わればよいかというシナリオを、私はすぐさま計算していた。

ユヅだって同じことを考えていただろう。私はそれでもユヅの巻き返しを信じていたが、心の中でブライアンの言葉を繰り返さなくてはならなかった。「練習を信じるんだ!」

後になってショート・プログラムについてユヅが語るのを聞くのは興味深かった。

ショパンのプログラムをパーフェクトに滑ろうとしたという事実が、彼に余計なプレッシャーを与えてしまったという。

現在の男子シングルのスケートで、ユヅを破ることができるのはユヅしかいない、私は心からそう信じている。

ユヅ、心配しないで。ショパンが「パリの散歩道」みたいに完璧になる日がもうすぐ来るから。

フリー・プログラム

前夜展開されたストーリーを踏まえれば、フリーの前の練習セッションはとても期待された時間だった。

ユヅが狂ったように強い決意を表せば、それがユヅ・ファンにとっては良いことだと私は考えていた。

ユヅが氷の上に現れる前、私はスタンドで熊のプーをインターネットで購入したという素敵な女性に出会った。

彼女はプーのために30時間もかけてSEIMEIの衣装を作ったのだという。それには手縫いの刺繍が施されていて、とても凝った美しいものだった!!

彼女に頼んで私たちはそのプーと一緒に写真を撮ってもらった。プーは新しいファンと共に次々写真に納まった!

彼女と一緒にいたもう一人の女性は、私たちに彼女が神社で買ったお守り(私は彼女がどこでそれを買ったのかわからなかったのだが=それは晴明神社のものだったと思います<ショピン>。)をさすって幸運を祈ってほしいと頼んできた。

私たちは頼まれたとおりにした。私はこれがこれから起きることにとても良いカルマになるに違いないと思った。

献身的で忠実なユヅ・ファンに出会ったスペシャルな出来事を、私はいつも思い出すだろう!たとえ私たちは同じ言語を話さなくとも、お互いに完全に理解し合える。

というのも私たちはただお互いに目を合わせて、「ファン」「ユヅ」と言いさえすればよいのだから。世界を一つにするユヅの力は本当に驚くべきものだ!!

SEIMEI

ユヅのフリーの音楽は本当に素晴らしいとしか言いようがない。SEIMEIはすぐさま私が最も気に入るプログラムとなった。

ほとんどユヅにこのプログラムを仕舞っておいて、次のオリンピック・イヤーに再び演じてほしいとまで思うくらいである。それほどこのプログラムはスペシャルなものだ。

ブライアン・オーサーはそれを「The Bolt」というプログラムで88年のカルガリー・オリンピックでやったことがある。

ブライアンはかつて、「The Bolt」を聞いたとき、それを気に入ってオリンピックまで仕舞っておく決心をしたと語っていた。
 

ジャンプはさておき、SEIMEIで私が好きなパートは、太鼓に合わせたステップ・シークエンスである。

フットワーク・シークエンスにおけるシンプルなクロス・ステップすら見る度に息を飲むほど素晴らしい。私は鳥肌が立った。

less is more (余計なものがない方がいい)」という格言があるが、これはその完璧な例だ。基本的な動きがそれほどたくさんのインパクトを持つという意味で。

(萬斎さんと結弦くんのインタビューで語られていた日本の“省略の美”について、sportymagsさんに説明したところ、彼女から”less is more”という言葉を自分も知っていて、自分も日本の省略の美を理解することができると言っていました。それを彼女はSEIMEIのこのパートに見出したのだと思います。これは私も後で詳しく書きたいテーマです。ショピン)

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プログラムそのものは、あちらこちらに小さなミスがあって少し乱れた印象になってしまったが、しかし、ユヅは全てのファンと他のスケーターたちにとって、越えなければならない壁を別次元に引き上げてしまった。

安全策は彼にあちらこちらの大会での勝利を約束するかもしれないが、世界選手権やオリンピックとなったら、私はユヅに賭ける。彼なら皆に自分の挑戦がどういうことだったかを見せてくれるだろう。

そのことで私はパトリック・チャンの演技について考えてみたい。

カナダにとって、パトリックの復帰はエキサイティングなものである一方、私は彼のプログラムがやや、「これまでやってきたことの繰り返し」のように感じてしまった。

パトリックからは何も新しいことが見られなかった。彼は相変わらずパワフルなスケーティング技術、そしていくつかの大きなジャンプを持っている。

しかし彼のプログラムは独創性を欠いている。おそらく、これは今シーズンの競技会における決まりきった型にはまりこむための彼なりの方策だったのだろう。

もし私たちが彼のことを善意で解釈するとするならば、彼はこれから何か新しいものを私たちに見せてくれるだろう。しかし、私はそれを固唾を呑んで待っている訳ではない。

パトリックはスポーツに自分の痕跡を残すためにスケートの競技会に戻ってきたのであって、メダル獲得のためではない、として既に放棄声明を発表している。

彼の発言を聞いて、二つの考えが思い浮かんだ。一つ目は、もしあなたが世界で戦えるアスリートであるならば、もちろん勝ちたいだろうということだ!

二つ目は、もしあなたがレジェンドになりたければ、どうしたらそうなれるか、ただユヅに聞いてみよう、ということだ。

スポーツの限界を引き上げ、何か新しくエキサイティングなことに挑戦し、もっとうまくなるように周囲の人々を鼓舞する!安全策からレジェンドは作られない。

さて、パトリックが復帰した。これはナムにとって何を意味するのか?

ナムは今シーズン、ギヤを完全にシフトし、新しいスタイルの音楽に挑戦した。ナムのスケートが新しい音楽に結びついたものかというと本当のところはそうは思えない。

彼は技術的に進化しているところだが、芸術的な表現面とスピードの面で、もう少し努力しなくてはならないと思う。そして何とかトリプル・アクセルへのエントリーをしっかりしてほしい。

ナムにとって何がかわいそうと言ったら、パトリックの復帰によって、彼の存在が完全に掻き消されてしまったことだ。

ナムが現在のカナダ国内のチャンピオンであるということが忘れられてしまったのだろうか?

大会最後のエキシビションに彼を出演させないという決断を誰がしたのか不思議でならない。ナムより下のクラスのスケーターたちでさえ招待されたというのに、彼が招待されないなんて。

スケート・カナダ、あなたたちは何をしているの?パトリックの素晴らしいカムバックへの捧げものとして、カナダの男子シングルの未来を担保に入れることはやめましょう、と言っているようなものではないか。

これら全てのことは別にして、こうしたナムに対する軽視が彼に限界へ挑戦するためのモチベーションを与え、今シーズンのカナダ国内のタイトルに向けてパトリックと接戦を繰り広げてほしい。

エキシビション・ガラ

通常、ガラの練習セッションは大会の通し券には含まれていない。しかし、スケート・カナダではそうしたおまけがあった!!

プレッシャーから解放されたガラの練習セッションで、私たちはかわいらしくて遊び好きなユヅを見ることができた。何というキャラクターだろう!!

熊のプーよりかわいらしく、ユヅはまたほんの少しガードを取り払うことができる時、私たちに彼がどんなに遊び好きなキャラクターかということを見せてくれた。

私たちは何という貴重な瞬間に居合わせることができたのだろう。あ~、本当にかわいらし過ぎて言葉が出ない!

私はガラの練習セッションをこれまで見たことがなかったので、新米振付師のジェレミー・テンの指示に聴き入るユヅの姿や、それから面白半分でトリプル・アクセルをやってみたりする姿を眺めているのは素晴らしいことだった。

そのうちユヅはスプレッド・イーグル+4回転トウループ+スプレッド・イーグルをやってみせた。再び、ちょっと遊ぶような感じで!

最も興味深い新しい動作は、スプレッド・イーグルからの4回転サルコウへのエントリーだ。こんなものは見たことがない。

バリーでの体験についての記事でも述べたように、もしあなたがほんの少しでもユヅから目を離してしまえば、何かを見逃してしまうことになる!

リンクのもう一方の端で、30人ほどのスケーターたちは皆、立ってぶらぶらしたり、お互いおしゃべりしたりしていた。

ユヅは基本的に完全な練習を行っていた。とてもリラックスして。ほんとうにかわいらしい。ユヅはただ立ってぶらぶらしていることができないのだ。

彼は本当に氷を愛し、氷の上にいることを愛している人物だということがわかる。彼は本当に愛らしい。いったい私は彼に対して「愛らしい」という言葉を何度使ったことだろう??

たとえユヅが集団から離れてジャンプをしに出かけるように見えたとしても、グループ・ナンバーを教わる時は音楽のビートを聞き逃したりはしない。

ジェレミーがユヅにキャンティレバー(Cantilever)(クリムキン・イーグル)をやって見せてくれるよう頼んだ時でさえ、ユヅはその願いを聞き入れ、私がショーマ・ウノとフィリップ・キャンデロロがやったのを見たことがあるだけのその動作をやって見せてくれた。

彼は実際それをかなりうまくやって見せてくれたのだ!残念ながら、ジェレミーはグループ・ナンバーの中で演じるものとしてルッツを取り入れたので、ユヅは残念そうにふざけて足を蹴り上げたりしていた。かわい過ぎる光景だった。

私はユヅのガラの演目として、パリの散歩道を希望していたが、それでもレクイエムを見ることができてとても幸せだった。

グリーンの衣装は私を驚かせた。それは写真や動画で見るのと違って、スポットライトが当たった氷の上で実際に見るとかなりよく見える。

ファンに対してそのプログラムについてのインフォメーションを主催者側が提供してくれればよかったのにと思う。簡単な短いイントロダクションだけでもよかった。

というのも、ユヅ・ファンはさておき、その場にいたほとんどの一般のスケート・ファンは、このプログラムがユヅにとってどんな意味を持っているか、また、そこに込められたメッセージについて知らなかったのだから。

ガラの最後にスケーターたちに赤いボールが配られ、彼らはそれを観客席に向かって投げ入れた。

ユヅはその素晴らしい野球の腕前をもって、リンクの1階の後ろの方へそれを投げ入れた。それはコンコースまで届いたが、誰がそれを拾ったかは定かではないものの、それを拾ったファンは何とラッキーなファンだろう!

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スケート・カナダで一つだけ残念なことがあった。それはツィッターに投稿されたユヅの1枚の写真で、ユヅがボードの傍に寄ってきてスタンドを見上げている場面だ。

そこに付けられたキャプションに、ファンからのジャンプのリクエストに応じているとあったのだが、実際には、彼は関係者のアドバイスに耳を傾けているところであった。

彼女は写真に収まらない9列目にいた。彼らがその間違ったキャプションを削除してくれればよかったのにと思う。

というのも彼らは何人かのファンたちから間違いについて指摘され、その出来事の正しい事実について知らされていたのだから。しかし、彼らは訂正しなかった。

この結果、将来、ユヅに対して非現実的な期待をファンが抱くことがないよう祈りたい。

ユヅとパトリックを比べるような得点やGOEについてブログでは言及しなかった。というのも、時々私たちはそれについて考え過ぎる傾向があるからだ。

これを私たちは「分析麻痺(分析し始めると止まらなくなる状態)」と呼ぶ。確かに、ジャッジが見たものをどのように判断したのかを見つけるためにプロトコルを読むのは面白い。

しかし、それは結果を変えるものではないし、フィギュア・スケートは常に、主観的なスポーツである。ファンは好きなだけそれについて議論を交わすことができる。

しかし、いろいろ考えてみても私はやはりユヅの素晴らしいイメージと思い出、そしてこの類稀なる美しいスケーターへの賛辞を通して、知り合った新しい友達に焦点を当てたい。

 

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ゴー、ユヅ、ゴー!!NHK杯での君の演技を見るのが待ちきれない!!ドキドキ!!

dokidoki 

 

SportymagsさんのInstagram、「ユヅルとユカイな仲間たち」増えてます。

https://instagram.com/won0066/