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放射能瓦礫もおことわり (高知県)

2011年 12月 29日 20:28
《 日本 》 《高知》 【取材ニュース】 <エネルギー> <オピニオン> <原発> <地域> <市民活動> <災害・事故> <環境> <農林水産> <食>

小倉文三

「生命環境の敵・放射能というものはその入り口で追い返す」というのが、高知県の「伝統」である。高知県民は、過去の放射能との戦いで、3連勝している。窪川原発(1988・1・28 窪川町)、高レベル放射性廃棄物(2007・4・22 東洋町)、低レベル放射性廃棄物(2009・2・4 大月町)を追い返した。目先の金の誘惑に負けなかったのである。これは、他の貧しい地方では難しかったことで、自由民権運動発祥の地の精神風土あればこそではなかったろうか。

4度目の放射能の接近を予感し、「グリーン市民ネットワーク高知」の外京ゆり代表は、12月28日午後1時、高知県知事代理の秘書課課長補佐・武田氏に以下の申し入れ書を手渡した。

高知県知事への申し入れ書 

                               2011年 12月 28日
高知県知事 尾崎正直 様
                       グリーン市民ネットワーク高知 一同

 南海•東南海•東海巨大地震の迫る今、日頃から四国電力と勉強会を開催されるなど、伊方原発がいかに危険な存在か、ご理解の深い知事に敬意を表します。
 しかし、知事は12月16日県議会で、「お互いに助け合う気持ちで対応していくのが基本」と瓦礫受け入れに前向きな姿勢を示したと同日付け高知新聞夕刊で報道されました。このことは、私たちの知事への期待を大きく覆すものです。ご承知のように、3.11福島原発事故以降、東日本は広汎に放射能汚染されてしまいました。このような国難の渦中にあって高知県と西日本には、疎開してくる人々のために、また国の食糧供給地として、何としてもこれ以上の放射能汚染を避ける責務があると考えます。
 

 以下について、充分ご配慮いただきますよう衷心より申し入れいたします。

① 「国による安全基準や処理の指針」が信用に足るでしょうか
 

1)被曝許容量

 これまで政府は、法律で定められた一般人の被曝許容量1mSv/年、放射線取り扱い者の被曝許容量50mSv以下/年、100mSv以下/5年、事故継続など緊急時許容量 20~100mSv/年を安易に変更し、子どもを含め被災地住民の被曝許容量 20mSv/年、福島原発事故の収束に従事する作業員の被曝許容量500mSv/年などと法解釈を勝手に逸脱したので、国民から一斉に非難を浴び、世界もあきれてはてています。
 

2)食品暫定基準値

 同様に3.11後、国の定めた食品の暫定基準値は、飲み物の暫定基準値は、乳児100Bq/L、セシウム200Bq/L、ヨウ素300Bq/L、食品500Bq/kgと、チェルノブイリ原発事故後に諸外国が定めた基準値よりも驚くほど高い数値です。
 新基準は来年4月から、飲料水10Bq/L、乳児食品•牛乳50Bq/L、一般食品100Bq/kgを適用するそうですが、これとてドイツ放射線防護協会が日本人に推奨した未成年者4Bq/kg、成人8Bq/kgをはるかに上回っています。
 

3)がれきの放射性線量測定と焼却

 被災地のがれき放射性線量測定方法のにも問題があります。ガイガーカウンターで測定できるのはγ線だけで、α線β線は飛距離が短いので測定が難しいのです。 
 安易にがれきを受け入れた結果、焼却したあとにγ線はじめα線β線の極微粒子が県土を汚染する危険性があります。すでに、がれきを受け入れ焼却した山形市では降下物からセシウムが福島市の14倍検出されました。国のがれき受け入れ基準8000Bq/kgのところを、山形県は独自に4000Bq/kg以下という基準を設け、200Bq/kg以下のがれきを焼却したにも拘らず、焼却により濃縮されたのです。

 また、セシウムは671℃で気化、つまり焼却でN95マスクでも防げない超微細粒子となり、周辺住民の内部被曝が重大な問題となるでしょう。
 焼却による核種の飛散を防ぐフィルターを焼却場に設置できたとしても、ダイオキシン汚染の轍を踏むことになり、焼却場は処理できない巨大な核のごみと化すでしょう。

② 「助け合いの気持ち」から西日本を放射性物質で汚染させていいのでしょうか

1)汚染を拡げてはならない

 北は青森県、南は静岡県浜松市までの地域が5月までに100MBq/km2以上の放射性物質で汚染され尽くしました。県土の放射能汚染のリスクを冒してまで被災地のがれきをあえて受け入れることには、県民として断乎反対します。
 

2)本当の助け合いとは

 すでに高知県には、被災した東北や関東地方から避難してこられた方々が多く居住されています。また、諸事情で避難できない方々は、高知からの農作物はじめ物資の配送に頼っています。こうしたみなさんが、避難先の高知県の放射能汚染をどう思われるでしょう。
 高知県は、耕作放棄地を活性化し、 農業などに従事してきた被災地住民を受け入れ、農作物など食糧の増産体制を整えることこそが、本当の助け合いではないでしょうか。

 瓦礫ではなく、人を受け入れてください。
小倉文三記者のプロフィール

2007年5月からJanJanフィールドに参入しています。2011年6月末までに、「ニホンオオカミ『もどり狼』問題の真相」(上)(中)(下)、「沖縄フォト紀行2010」(1)-(13)、「ニホンカワウソいますか?」(上)(中)(下)(付)、その他合計すると257本の記事を書きました。「自然生態系の保全」に特にこだわりがありますが、記事のテーマは森羅万象、多岐にわたっています。「徒然なるままに・・・そこはかとなく」南国土佐より情報発信しています。
カテゴリーの「高知」をクリックすると、JanJanBlog(2010・5・1以降)の私の過去記事が出てきます。関心のあるテーマがあれば、一読ください。

HP: http://www.kcb-net.ne.jp/narijun
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